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輪島孫・磯谷大心が83秒殺プロデビュー!功一氏「ベルト巻くのは当たり前」

[ 2021年10月15日 05:30 ]

プロボクシング 68・5キロ契約4回戦   〇磯谷大心 TKO1回1分23秒 羽賀彬光● ( 2021年10月14日    後楽園ホール )

TKO勝利を挙げ雄叫びをあげる磯谷。右後方で手を叩くのは祖父の輪島功一氏(撮影・河野 光希)
Photo By スポニチ

 “炎の男”の孫が鮮烈なプロデビューを飾った。プロボクシング元WBA・WBC世界スーパーウエルター級王者・輪島功一氏(78)を祖父に持つ磯谷大心(たいしん、20=輪島功一スポーツ)が14日、東京・後楽園ホールで68・5キロ契約4回戦に臨み、羽賀彬光(35=DANGAN越谷)に1回TKO勝ち。プロボクサーとしての第一歩を力強く踏み出した。

 祖父・功一氏も見守る中でのデビュー戦で豪快な1回TKO勝ち。重圧から解放された磯谷は「勝ててひと安心。硬くなって、いつもの出来ではなかったけど、勝てて良かった」と息を吐き出した。

 アマ経験がなく、初めてのリングだったことに加え、注目度の高さが緊張を増幅させた。立ち上がりから得意の左ジャブをヒットさせたが、「距離が近くなった」ことで羽賀のパンチも浴びた。それでも左フックでぐらつかせ、打ち下ろしの右で最初のダウンを奪う。立ち上がった相手に連打を浴びせて棒立ちにさせ、レフェリーストップを呼び込んだ。

 元プロボクサーの父・和広トレーナーは「本来なら外せるパンチをもらってヒヤヒヤでした」とダメ出し。「祖父からは“完璧だった。でも、面白くねーよ”と言われた」という磯谷は「完璧ではなかったので…」と苦笑いし、整った顔を崩した。

 試合後に取材に応じた功一氏は「凄く良かった。攻めるところは攻め、逃げるじゃなく、よけて打つ。練習は根性、試合は勇気だからね」と絶賛。「ベルトを巻くのは当たり前だと思っている。どれくらい早くいけるかだね」と大きな期待を寄せた。

 次戦は未定だが、来年の新人王トーナメントにはエントリーする予定。「まずは全日本新人王を獲りたい。将来的には世界チャンピオンになりたい」と磯谷。祖父の最後の試合から44年。プロボクサーとしてスタートを切った20歳は、祖父と同じ道をたどり、夢に向かって走り出す。

 ◇磯谷 大心(いそたに・たいしん)2001年(平13)7月4日生まれ、東京都三鷹市出身の20歳。幼少期にサッカーを始め、正智深谷高ではGK。卒業後、植木職人をしながら本格的にボクシングの練習を積み昨年10月にプロテストに合格。ボクサーを志したきっかけは祖父ではなく格闘漫画「グラップラー刃牙」。身長1メートル82の右ボクサーファイター。

 ▽世界王者の2世&3世ボクサー “浪速のジョー”として人気を誇った元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎(51)の次男・寿以輝(じゅいき、25=大阪帝拳)は15年4月にプロデビューし、13勝1分けで日本スーパーバンタム級9位。元WBC世界スーパーバンタム級王者・畑中清詞氏(54=畑中ジム会長)の長男・建人(23=畑中)は16年11月にデビューし、11戦全勝で日本フライ級2位にランキングされている。米国では故ムハマド・アリ氏(米国)の孫ニコ・アリ・ウォルシュ(21=米国)が今年8月にプロデビューし、1回TKO勝ちを飾った。

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