カエル大好き20歳の入江聖奈 涙の金メダル 「今日だけは殿様ガエルになれた」
東京五輪第12日 ボクシング女子フェザー級決勝 ( 2021年8月3日 両国国技館 )
ボクシング女子フェザー級決勝で、20歳の入江聖奈(日体大)が2019年世界選手権覇者のネスティー・ペテシオ(フィリピン)を下し、金メダルを獲得した。
最後まであきらめずに攻め続け、5-0で判定勝ち。金メダル確定の瞬間、入江はジャンプして喜びを爆発させ、号泣した。
日本勢の金は1964年東京大会の桜井孝雄、2012年ロンドン大会の村田諒太に続いて13年ぶり3人目。女子では初の快挙となった。
表彰式後にインタビューに応じた入江は「えっとですね…何も覚えてなくて、気が付いたら着替えてた。本当に何も覚えてないんです」とらしさ全開。「何回もほっぺつねったんですけど、夢みたいで…今も夢の中な気がします」と振り返った。
「現実ですよね…自分に言い聞かせたいと思います。なってみると実感がわかなくて…金メダル何回も見たいと思います」とまさに夢見心地の様子だった。
第3ラウンドは「無我夢中で覚えてないんですけど、13年間を出せるように頑張りました」と声を弾ませ「まずは両親に生まれてからずっと支えてくれたので報告したい」と話した。
カエルが好きな20歳。「なにも覚えてない、気がついたら君が代ながれていた。世界一なったと感動しております。今日だけは殿様ガエルになれたと思います」と笑顔を浮かべた。
鳥取県米子市出身。母が漫画家の小山ゆうさんの作品が好きで、家にあった漫画「がんばれ元気」を読んで小2でボクシングを始めた。中1の時に20年五輪の東京開催が決定し、五輪での金メダル獲得が目標になった。
ロンドン五輪から採用された競技で、日本人女子で初めて五輪のリングに立ち、歴史的な初勝利、そして史上初のメダル確定と、歴史の扉を少しずつ開いてきた。メダル確定で「5ミリ」、準決勝での勝利で銀以上を決めても「5センチ」と控えめな表現だったが、悲願の金メダル獲得で歴史の扉は“全開”だ。20歳のファイターは鳥取県出身としても初となる金メダル獲得という快挙をなし遂げた。
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