田中亮明もメダル確定!フライ級61年ぶり、日本勢のメダルは史上最多3個に
東京五輪第12日 ボクシング男子フライ級準々決勝 ( 2021年8月3日 両国国技館 )
田中亮明(27=中京学院大中京高教)が2016年リオデジャネイロ五輪ライトフライ級銀メダルのユベルヘン・マルティネス(29=コロンビア)を4―1の判定で下し、5日の準決勝に進出した。3位決定戦はないため、田中の銅メダル以上が確定。準決勝では、リオ五輪金メダルのシャホビディン・ゾイロフ(ウズベキスタン)を下したカルロ・パーラム(フィリピン)と対戦する。
立ち上がりから積極的に前に出て左ボディーを中心に攻めた田中だが、マルティネスの右を浴びるシーンも多く、第1ラウンドを落とした。だが、第2ラウンド以降は修正。的確なヒットでポイントを稼いでこのラウンドを僅差で制すと、最終3ラウンドはフルマーク。29―28×4、28×29で勝利をつかんだ。
田中は1回戦でリオ五輪フライ級銀メダルのヨエル・フィノル(ベネズエラ)に5―0で判定勝ち、2回戦でもリオ五輪同級銅メダルの胡建関(フ・ジャンガン=中国)に3―1で判定勝ちと、3戦連続でメダリストを撃破し、フライ級では1960年ローマ五輪銅メダルの田辺清以来61年ぶりとなるメダル獲得を決めた。
2歳下の弟・恒成(25)とともに幼少期から空手をはじめ、中学でボクシングに転向。岐阜・中京高3年時には国体ボクシング初の兄弟優勝も果たした。その後、恒成はプロに進んで世界最速タイの12戦目で3階級制覇を達成。自身はアマチュアで世界一を目指す道を選んだ。
16年のリオ五輪では、最有力候補と言われながら代表選考から落選する悔しさを味わった。1度は引退を考えたが、そこからはい上がって東京五輪の切符をつかんだ。コロナ禍で延期となった1年間は、弟と練習する機会も増えた。昨年12月に4階級制覇に挑戦した恒成は井岡一翔に敗れたが、再起を目指し、頑張る弟の姿に刺激を受けた。
今年5月コンスタンチン・コロトコフ記念国際トーナメント(ロシア)では3位に終わったものの、「好戦的なスタイルを1ラウンド目からやれば勝てることが分かった」。その闘いを実践する裏付けになったのが、弟にもアドバイスをもらい強化したフィジカル面だった。
すでに女子フライ級の並木月海(自衛隊)、同フェザー級の入江聖奈(日体大)がメダルを確定させており、これで日本代表は目標としていたメダル3個に到達。村田諒太がミドル級で金メダル、清水聡がバンタム級で銅メダルを獲得した12年ロンドン五輪を上回り、史上最多となった。
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