清水聡 初の判定勝利で2冠統一 森の密着戦法に苦戦「ゾンビみたいだった」
プロボクシング東洋太平洋&WBOアジアパシフィック・フェザー級王座統一戦12回戦は21日、東京・後楽園ホールで行われ、東洋太平洋王者・清水聡(35=大橋)がWBOアジアパシフィック王者・森武蔵(21=薬師寺)に3―0で判定勝ち。東洋太平洋王座6度目の防衛を果たすとともにWBOアジアパシフィック王座を獲得した。
12年ロンドン五輪銅メダリストのエリートと21歳の新鋭の対決。身長が9センチ低い森は序盤から体を密着させて距離をつぶしにきた。4回を終えて公開されたジャッジ3者の採点は39―37、37―39、38―38と互角だったが、次第に中間距離をキープした清水がペースを握り、右ジャブや打ち下ろしの左ストレートをヒットさせる。接近した場面では左右のアッパーも有効に使い、最終的には4~8点差をつける大差判定で森を退けた。
清水は「勝ったのは良かったけど、納得のいく勝ち方ではなかった。良いパンチが入っても(森は)顔色も変えなくて怖かった。ゾンビみたいでした」。プロ11戦目で初の判定勝ちに反省もの言葉も出たが、初の12ラウンドを経験し、「キツいですけど、これがプロなんだ」と実感することもできた。
19年7月に1階級上のスーパーフェザー級でWBOアジアパシフィック王者に挑戦したが、6回TKO負け。両眼窩底など4カ所を骨折をした。復帰後も「自分のボクシングができない時期もあった」というが、「自分のボクシングを探して、きょうはそれが出来た。次につながる成長ができた」と手応えも口にした。週1~2回の低酸素トレーニングを導入した成果もあって、14歳下の森に負けないスタミナを発揮できたのも収穫だ。
大橋会長は「次は世界。4団体どこでもチャンスがあれば。海外になると思うけど、なるべく早く」と、次戦にも世界挑戦を準備することを明言。清水は「今は試合が終わったばかりなので、少しゆっくりしたい」と話して笑わせた。
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