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4年4カ月ぶりにプロ復帰した高山勝成「中村泰士さんに贈る勝利です」

[ 2020年12月27日 21:57 ]

2ラウンド、小西(左)に右ストレートを見舞う高山(撮影・成瀬 徹)
Photo By スポニチ

 プロボクシングの元ミニマム級世界4団体王者・高山勝成(37=寝屋川石田)が27日、4年4カ月ぶりのプロ復帰戦を白星で飾った。エディオンアリーナ第2競技場でライトフライ級6回戦に臨み、WBC世界同級11位の小西伶弥(27=SUN―RISE)を6回判定3―0(60―54、59―55×2)で下した。「まず世界ランクに戻るための戦い。(それを果たし)うれしく思う」と頬を緩めた。

 報道陣対応する中で神妙な表情を見せる場面があった。作詞作曲家の中村泰士さんが今月20日に肝臓がんのため81歳で他界。自身の後援会で副会長を務めてもらった縁があることを自ら切り出し「しんどい時も気を配ってもらった。中村さんに贈る勝利です」と話した。

 試合内容は完ぺきだった。初回から軽快なフットワークでリング内を所狭しと動き回り、頭を大きく振りながら左ジャブ、左右ボディーなど手数で圧倒。時折、右カウンターも織り交ぜる。何とかロープやコーナーに追い込んで左ボディーを起点に反撃を試みる小西をほんろうした。「つかまらないように、彼の距離で戦わないようにアウトボクシングできた。自分のやるべきことをやりきった」。プランを着実に遂行しての勝利だった。ずっと行動をともにする中出博啓トレーナーも「年齢を重ねているが、フィジカルが強くなった印象さえある。日々の精進、積み重ねがあるから。来年が楽しみ」と一層の進化を約束した。

 今後の目標に話が及ぶと、中出トレーナーが「今のチャンピオンに(高山と対戦を)やってほしい」と話した。そこから具体的な標的を問われた高山は「やるとすれば、自分としてはWBAのチャンピオンですかね」とWBA世界ライトフライ級スーパー王者・京口紘人(ワタナベ)を挙げた。高山がミニマム級で制した世界主要4団体のうちWBAだけは暫定タイトルだった。もし実現すれば、WBAの正規王座と2階級制覇を同時に狙える。高山にとって何とも欲張りなプランだ。

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2020年12月27日のニュース