尾川、人生初ダウンにヒヤリ…世界ランカー対決で判定勝ち「半歩前進」
プロボクシング「第594回ダイナミックグローブ」は2日、東京・後楽園ホールで行われ、メインのスーパーフェザー級10回戦で、IBF3位など3団体で世界ランク入りしている尾川堅一(32=帝拳)はIBF7位の西谷和宏(33=VADY)に3―0(97―91×3)で判定勝ちした。
尾川にとって約10カ月ぶりの試合。序盤、鋭い左のジャブとフックで主導権を握ったように見えた。ところが、3回コーナーを背負っての攻防で西谷の左を左側頭部に受け、人生初のダウンを喫した。それでも直後の4回にダウンを奪い返して終盤は激しい打ち合いを気持ちで押し切った。
「ダウンはちょっと焦りましたけど、すぐに奪い返せたのが大きかった。自分の力不足。でも、最後は根性で耐えたので、それだけはほめて下さい」
昨年12月にWBOアジアパシフィック王者ジョー・ノイナイ(フィリピン)に挑戦も、5回負傷判定で引き分けと不完全燃焼のまま王座獲得に失敗した。世界挑戦へ向けて再スタートとなる試合はコロナ禍で延期が繰り返された。だが、外国人選手の来日が難しい状況だからこそ実現した期日本人世界ランカー対決。「弱点を突いてきたり、打ち終わりを狙ってきたり、やりにくかった」という難敵との激闘を制し、世界戦線に生き残った尾川は「まあ、半歩前進したくらい。アピールにはならなかったですね」と反省。「ただ勝ったことはすべて。これから、もっと厳しい闘いを乗り越えなくちゃいけないし、どこへでも行って勝負したい」と覚悟を示した。
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