井上尚弥に敗れた元統一王者フルトン、再起戦でヒヤリ…フェザー級初戦でダウンも2-1判定勝ち
プロボクシング フェザー級10回戦 ( 2024年9月14日 米ネバダ州ラスベガス T-モバイルアリーナ )
元WBC&WBO統一世界スーパーバンタム級王者のスティーブン・フルトン(30=米国)が14日(日本時間15日)、米ラスベガスで行われた約1年2カ月ぶりの再起戦に辛勝した。昨年7月25日に現4団体統一同級王者・井上尚弥(31=大橋)にプロ初黒星となる8回TKO負けを喫して統一王座から陥落後、フェザー級に転向。転向初戦でカルロス・カストロ(30=米国)に2-1で辛くも判定勝ちした。
試合はスーパーミドル級3団体統一王者サウル・"カネロ"・アルバレス(メキシコ)のアンダーカードで行われ、2万人収容のT-モバイルアリーナもまだガラガラの状態。激しいジャブの差し合いから左のショートフックや左ボディーを狙ったフルトンは5回、右ストレートをまともに浴びて仰向けに倒れるダウン。時間をかけて立ち上がり、必死のクリンチでこのラウンドを終えると、6回は右オーバーハンドなどで反撃した。8回にも打ち負けて後退するなど苦しい試合を強いられたが、最終10回は疲れた相手に左右のフックをヒットさせ、2-1で判定をモノにした。ジャッジの採点は1人が95-94でカストロを支持。残り2人は96-93、95-94でフルトンだった。フルトンは23戦22勝(8KO)1敗。カストロは33戦30勝(14KO)3敗となった。
フルトンは井上戦後、トレーナーを兼任マネジャーのワヒド・ラヒーム氏から同じ米フィラデルフィア出身のIBF世界ウエルター級王者ジャロン・エニス(米国)の父、ボジー氏に変更。フェザー級でWBA2位、WBC7位、WBO8位にランクインしている。一方のカストロは同級WBA7位、WBC5位、WBO13位。今年5月の東京ドームで井上に6回KO負けしたルイス・ネリ(メキシコ)と22年5月に対戦し、1-2の判定で敗れていた。
フルトンは試合前、フェザー級で「まずはWBAのベルトが欲しい」とWBA王者ニック・ボール(英国)がターゲットと明言。2階級制覇を達成後は、21年11月に判定勝ちした現WBC同級暫定王者ブランドン・フィゲロア(米国)との統一戦も「面白いでのは」と興味を示していた。一方、井上との再戦の可能性については「もちろんあるが、再戦するならもっと良い状態で戦いたい」と述べたものの、井上がフェザー級に階級を上げる頃には「自分はスーパーフェザー級にいるかもしれない」とも話した。