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3階級制覇、井岡との統一戦、ロマゴン戦…八重樫激闘の跡

[ 2020年9月1日 15:12 ]

2015年12月29日、IBF世界ライトフライ級タイトルマッチでメンドサを下して3階級制覇を達成、松本好二トレーナー(下)に肩車されガッツポーズする八重樫東。左はガッツポーズする大橋秀行会長
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 現役引退を発表したプロボクシングの元世界3階級制覇王者・八重樫東(37=大橋)。プロ35戦のうち世界戦は14試合にのぼったが、小柄な体で果敢に打ち合う姿は勝っても負けてもファンを魅了した。

 ☆初挑戦
 ▽WBC世界ミニマム級タイトルマッチ(2007年6月4日 パシフィコ横浜)
 八重樫東(大橋) ●判定〇 王者 イーグル京和(角海老宝石)
 当時国内最速記録となるプロ7戦目で世界王座を狙ったが、0―3判定負け。2回にバッティングで顎を2カ所骨折していた。

 ☆世界初奪取
 ▽WBA世界ミニマム級タイトルマッチ(2011年10月24日 後楽園ホール)
 八重樫東(大橋) 〇10回TKO● 王者 ポンサワン・ポープラムック(タイ)
 2度目の世界挑戦で戴冠。前年に結婚して引退を勧められていたが、ファイターに変身して打ち合いを挑み、試合前に「逃げないで出てこい」と挑発した王者を破った。

 ☆井岡と統一戦
 ▽WBA・WBC世界ミニマム級王座統一戦((2012年6月20日 大阪府立体育会館)
WBC王者 八重樫東(大橋) ●判定〇 WBA王者 井岡一翔(井岡)
 国内初の世界2団体王座統一戦が実現。113―115、113―115、114―115の小差0―3判定負けで初防衛に失敗し、王座陥落。ホープ井岡を恐れず統一戦に挑み、顔をはらしながら序盤から打ち合った姿が称えられた。

 ☆2階級制覇
 ▽WBC世界フライ級タイトルマッチ(2013年4月8日 両国国技館)
 八重樫東(大橋) 〇判定● 王者 五十嵐俊幸(帝拳)
 2階級上のフライ級に転向し、再起2戦目で世界挑戦。11回に五十嵐をダウン寸前まで追い込むなど5、7、9点差の大差3―0判定勝ち。“飛び級”での2階級制覇に成功。

 ☆ロマゴンと激闘
 ▽WBC世界フライ級タイトルマッチ(2014年9月5日 代々木第2体育館)
 王者 八重樫東(大橋) ●9回TKO〇 ローマン・ゴンサレス(ニカラグア、帝拳)
 3度目の王座防衛成功のリングで「こんな僕ですけど、やってもいいですか?」と2階級制覇王者ゴンサレスの挑戦を受けることを表明。ダウンを奪われプロ初のKO負けで王座を失ったが、当時39戦全勝と無敵だった“ロマゴン”と激しく打ち合い、敗れても称賛された。

 ☆3階級制覇
 ▽IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ(2015年12月29日 有明コロシアム)
 八重樫東(大橋) 〇判定● 王者 ハビエル・メンドサ(メキシコ)
 階級を1つ落として三たび世界挑戦。14年12月にWBC世界ライトフライ級王座決定戦で7回KO負けし“限界”もささやかれたが、肉体改造に成功して6、10、13点差の大差3―0判定勝ち。日本男子3人目となる3階級制覇を達成した。

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