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尚弥、大一番“予定日”にカシメロへ余裕のコメント 対戦まで「しっかりと仕上げてほしい」

[ 2020年4月26日 06:00 ]

本来ならカシメロ戦が予定されていた日を迎えての心境を明かした井上尚弥(大橋ジム提供)
Photo By 提供写真

 日本時間26日に米ラスベガスで3団体統一戦を予定していたWBA&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(27=大橋)が25日、所属ジムを通じてコメントを発表した。新型コロナウイルスの世界的流行でWBO王者ジョンリール・カシメロ(31=フィリピン)との大一番は延期となったが、井上はぶれない姿勢を強調。改めて3団体統一へ自信を示した。

 先行きが不透明な状況にあっても、モンスターの自信は揺るがない。本来であれば、3団体統一戦が行われるはずだった日に合わせて発表されたコメントは、力強さに満ちていた。

 「試合延期をしっかりと受け止めているので、心境に変わりなく、来る日に向けて調整中です。焦りは何一つありません」

 政府の緊急事態宣言を受け、大橋ジムは5月6日まで閉鎖中だが、井上に関しては使用が認められている。スパーリングなど実戦形式はできないものの、集中して練習に取り組んでおり「オーバーワークでも練習不足でもなく、スキルを落とすことなくキープしています」と順調ぶりをアピール。大橋秀行会長は「延期を伝えた時と同じように普段通りの練習…木鶏のごとく微動だにせず、頼もしく見守っています」と絶賛した。

 2月に米マイアミで合宿をスタートさせたカシメロは3月中旬にラスベガス入り。延期決定後もフィリピンに帰国できず、現在も現地で調整中という。井上は「トレーニングができる環境にあるとの情報なので、しっかりと仕上げてほしい」と注文をつけ「それ以外にも情報が入っているので気にしていません」と余裕を示した。

 新たな試合日程は未定だが「必ず3団体統一戦を実現させます」と改めて約束。新型コロナウイルスの感染拡大防止へ自制が求められる中、「今は皆がつらい状況です。一人一人の意識で守れる命が助かり、近い将来を変えます。そのためには不要不急の外出を控え、人との接触を減らし、この大変な状況を乗り越えましょう」と呼び掛けた。 (大内 辰祐)

《尚弥 WBSS決勝後の経過》
 ▼19年11月7日 ドネアとのWBSS決勝後、井上が米トップランク社と契約したことを発表。
 ▼12月1日 カシメロが正規王者テテとの統一戦に勝利し、WBO正規王座に。
 ▼20年1月31日 井上が会見し、4月25日(日本時間26日)に米ラスベガスのマンダレイベイ・リゾート&カジノでカシメロと対戦すると発表。
 ▼2月5日 カシメロがフィリピン・マニラ市内で会見し、井上との対戦を発表。
 ▼3月15日(日本時間16日) 米疾病管理予防センター(CDC)が今後8週間、50人以上が集まるイベントの中止、延期を勧告。
 ▼16日(同17日) 米トップランク社が3月、4月の全ての試合を延期すると発表。井上も自身のSNSで延期を報告。

 《日程いまだに不透明 大橋会長柔軟に対応》米国内では多くのスポーツイベントが開催できない状況で、井上―カシメロ戦の日程もいまだに不透明だ。共同プロモーターであるトップランク社のボブ・アラムCEOは一時、日本開催も検討したが断念し、カシメロに別の試合を用意する可能性を示唆したとの報道もある。大橋会長は「カシメロ戦を第一に考えています」とした上で「この世界情勢ですので、状況の変化には対応したいと思います」と柔軟な姿勢を示した。

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