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田中恒成、世界最速4階級制覇へ井岡標的 年内あるぞ“世紀の日本人対決”

[ 2020年2月5日 05:30 ]

スーパーフライ級に進出して4階級制覇を狙うと宣言した田中恒成
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 ボクシングの前WBO世界フライ級スーパー王者・田中恒成(24=畑中)が4日、名古屋市内で会見し、スーパーフライ級進出して4階級制覇を狙うと表明した。先月末に返上したスーパー王座の特典により転級後すぐにWBO世界スーパーフライ級1位にランクされ、同級王者・井岡一翔(30=Reason大貴)が最初の標的となる。辰吉丈一郎と薬師寺保栄の“世紀の一戦”をほうふつさせる日本人対決が年内に実現しそうだ。

 黒一色のシックな装いで田中は冷静に宣言した。「今年はスーパーフライ級で戦っていく。今年の目標は4階級制覇です」。畑中清詞会長(52)によると、先月31日付で王座を返上した。4~5月ごろにノンタイトル戦を挟み、夏の東京五輪期間を避けつつ、秋以降に大一番を迎えるプランが有力だ。現在プロ15戦。1戦挟んで17戦目で4階級制覇すれば、6階級王者オスカー・デラホーヤ(米国)の4階級到達24戦目を塗り替え、世界最速記録となる。

 最初の標的は当然、WBO王者の井岡だ。そもそも、この時期に階級アップする理由が転級後すぐに指名挑戦者となれるスーパー王者の特典にある。井岡は昨年末に指名試合をクリアしたが、畑中会長によれば次の指名期限は9カ月で、陣営の4階級挑戦プランと合致する。田中は「欲を言えば(井岡と)お互いに望んだ時にやりたい」という希望を持つが“旬”を逃すつもりはない。昨年大みそかは同じ東京・大田区総合体育館でそれぞれ防衛に成功。明けて元旦に「(井岡は)攻撃力が増している。ずっと攻撃を出すスタミナも凄い」と印象を語り、対戦意欲を抑えきれない様子だった。

 実現すれば、およそ四半世紀前、辰吉対薬師寺の“世紀の一戦”をほうふつさせるビッグマッチとなる。勝算を問われ「客観的に見れば“不利だろう”ぐらいに思っている」と意外な返答。それでも挑む理由は「もっと強くなれると思う。どんどん挑んでいきたい。本当に楽しみ」。自分をさらなる高みへ引き上げてくれる強敵とのファイトを望んでいる。

 【田中恒成に聞く】
 ――階級アップを決断した理由は?
 「WBOスーパーチャンピオンの特権(転級後すぐにランク1位となる)もあるが、今はスーパーフライ級の選手たちが凄く強い。そういう選手がいるうちに戦いたい気持ちが一番強い」

 ――対戦を望む強い選手とは?
 「(WBC王者の)エストラーダと井岡選手。全てのチャンピオンと戦いたいし、チャンピオン以外にも戦いたい選手はいる。(自分は)ミニマム級から2年周期ぐらいで階級を上げている。フライ級で戦うのも可能だが、減量がきつくなるのは間違いない。逆にバンタム級だと、まだ体が小さい。今は適正階級にきたというのはある。スーパーフライ級で長い時間戦いたい。強豪の選手を全員倒したい」

 ――井岡戦が実現した場合、勝つ自信は?
 「試合のイメージは、まだしていない。ちょっと想像がつかないというか…。客観的に見れば“不利だろう”ぐらいに思っている。楽しみの方が大きい」

 ――辰吉と薬師寺の試合は見たか?
 「見てないかも。父(斉トレーナー)は見ていると思う。94年?生まれてないです」

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