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田中恒成 3度目の防衛戦へ練習公開 “大人の対応”で完勝だ

[ 2019年12月27日 16:24 ]

WBO世界フライ級タイトルマッチ   王者・田中恒成《12回戦》同級10位ウラン・トロハツ ( 2019年12月31日    東京・大田区総合体育館 )

シャドーで軽快な動きを見せる田中恒成
Photo By スポニチ

 3度目の防衛を狙う王者・田中恒成(24=畑中)が27日、名古屋市内の所属ジムで練習を公開した。シャドーと父・斉トレーナーを相手のミット打ちを1ラウンドずつ。軽快な動きで好仕上がり印象づけた。「今回は自分自身との闘いをテーマにやってきた。体調を整えて必ずKOで勝ちたい」と宣言。

 そう語る表情がやけに柔らかい。減量終盤はピリピリした雰囲気を漂わせることが多かっただけに“違和感”を覚えると言ってもいいレベルだ。体調の良さがそのまま物腰に表れている。本人は「(調整過程が)前回は特にひどかった。それまでも良くなかったけど。今回は、少なくとも今年の試合では一番いい」と明かす。今夏のV2戦では試合約3週間前の8月初旬に風邪をひくなど調整に苦労。練習で磨きをかけたスピードを本番のリングで全く発揮できず、ポイント劣勢で迎えた7回に逆転TKO勝ちした。今回の減量は計画的に早めに取り組むことを徹底し、順調に進めた。

 悔い改めたのは調整過程だけではない。試合展開についても再考した。これまで格下相手の場合は「“こういう勝ち方をしたい”と練習してきたことだけに縛られ、それが上手くいかなくても次の手札を出さずに悪循環に陥っていた」。8月のV2戦がまさに好例といい「序盤からパワーで押さえつけていくと切り替えていれば、それはそれでいい試合ができたかも」と振り返る。今回のスパーリングなどではジャブに比重を置いて磨きをかけた。「ジャブの練習をしてきたけど、一切こだわらず、その場で判断してやることが一番いい勝ち方。もともと引き出しは多い。相手に応じて、それを出していくのが俺のボクシング」。直前にならなければ対戦相手が分からないアマ時代に高校4冠の実績を残しており、対応力は高い。プロでは自分のこだわりを押し通したため、過去に何度か墓穴を掘りかけた。今回からは、状況を冷静に見極める大人の対応で完勝を狙う。

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2019年12月27日のニュース