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中谷正義 世界挑戦懸け21歳新鋭と対決 “通過点”強調「無傷で勝ちたい」

[ 2019年5月9日 19:08 ]

世界前哨戦の記者発表で無傷での勝利を宣言した東洋太平洋ライト級王者・中谷正義(中央)と井岡ジム・井岡一法会長(右)と元世界2階級王者・井岡弘樹(左)
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 ボクシングの東洋太平洋ライト級王者でIBF世界ライト級3位・中谷正義(30=井岡ジム)が9日、所属する大阪市浪速区の井岡ジムで記者会見し、IBF世界同級タイトルマッチ挑戦者決定戦12回戦を戦うと発表した。対戦相手は同級4位の新鋭テオフィモ・ロペス(21=米国)。試合は7月19日(日本時間同月20日)に敵地、米国メリーランド州オクソン・ヒルのMGMナショナル・ハーバーで行われる。IBFのライト級は現在1、2位が空位のためこれが最強の挑戦者を決める戦いとなり、この一戦に勝利すれば、IBF現王者のリチャード・コミー(32=ガーナ)への挑戦権を得ることになる。戦績は中谷が18戦18勝(12KO)。ロペスが13戦13勝(11KO)。世界戦ではないため中谷の東洋太平洋王座の返上はない。

 
 2011年6月のプロデビュー戦からほぼ8年。今年3月に30歳になった中谷は「やっとかな」と本音を口にしながら「そんなに気負ってはないですね。自分がやるべきことをやって。これは世界戦じゃないんで。全然、通過点なんで。しっかり世界に自分の力を証明してしっかり勝っていきたいと思います」とあらためて気持ちを引き締めた。

 ロペスはWBAで3位、WBC、WBOでも4位にランクされる若手有望株で1メートル73の右ボクサーファイター。ともに高いKO率を誇る両者の対戦となったが「若いから勢いはありますけど、その分、付け入るスキはあるかなと思ってます。KOできたらベストですけど、判定でもしっかりポイント取って確実で明確な勝ちを取っていけたらなと思います」と1メートル82と身長で9センチ上回る中谷の青写真に派手なKO決着はない。東洋太平洋のタイトルを11度防衛した経験と技術で若いロペスの勢いを封じ込める腹づもりだ。

 加えて30歳という年齢を考えれば、この世界前哨戦後のことも視野に入れた戦い方が必要となる。「次に世界戦も控えているんでケガなくほとんど無傷で勝ちたいなとは思います。練習遅れてまうんで、ケガして試合勝ったら」と自らに無傷の“完全勝利”を課している。

 決戦までの2カ月間は東洋太平洋タイトルマッチとは違う領域へギアを上げていく。

 「今までは防衛やったんである意味、崩れへんような戦い方をしてましたけど、世界レベルで戦えるように一つ一つのレベルを上げて1ラウンドからしっかり飛ばしていけるような練習をしていってまた、そういう戦い方をしたいな思うてます。速いテンポになると思うんで、いかにその外人のテンポについていって、ほんでまた、その中で自分のボクシングができるかが、今回の勝敗の分かれ目になると思うんで」

 直前合宿等の臨戦過程はこれから詰めていくが、スピードとスタミナの強化を最重点課題に自分を追い込んでいく。

 現在、中谷が抱える唯一の不安は減量のための食事だという。日本では自宅で軟らかめに炊いてもらった白米と梅干しでエネルギーを補給するが、米国ではそれができない。「そこだけホンマめっちゃ考えてますね。井岡(一翔)に聞こうかな思うてます。相手よりもそこですね」と真剣な表情で話していた。 

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2019年5月9日のニュース