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田口世界戦でジャッジ緊急変更、日本人ねじ込み中立性保つ

[ 2018年5月20日 05:30 ]

WBA&IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ   統一王者・田口良一≪12回戦≫WBA7位IBF6位ヘッキー・ブドラー(南アフリカ) ( 2018年5月20日    大田区総合体育館 )

計量パスした田口(右)はブドラーと握手を交わす
Photo By スポニチ

 統一世界ライトフライ級王者・田口良一が日本初の2団体王座同時防衛に挑む一戦のジャッジが、試合前日に変更となった。19日に発表された3人のうち1人は挑戦者ブドラーと同じ南アフリカ人。中立性が保たれないとして田口陣営が抗議し日本人の中村勝彦氏が急きょジャッジを務めることが決まるドタバタ劇となった。前日計量は4選手ともリミットでパスした。

 当初発表されたジャッジはフィッツジェラルド(米国)、ポランコ(メキシコ)、ホッツ(南アフリカ)の3氏だった。2人は中立国出身だが、ホッツ氏はブドラーと同じ南アフリカ人。田口は「中立じゃない。今までこんなのはなかった」と不安の声を上げ「判定まで行ったら、かなりの確率で(ブドラー勝利に)つけるのでは」と“アウェー判定”が出る恐れを口にした。

 今回はWBAとIBFの両王座が懸かっており、本来なら両団体からジャッジが選ばれるはずだった。日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛事務局長によると、IBFは数週間前に候補3人のリストを提出したが、担当者が休暇中というWBAは連絡が遅れた上に、2日前にオフィシャルはIBFに委ねると通達。京口―パラス戦のジャッジ3人が田口―ブドラー戦も担当することになったという。

 だが、不利なジャッジ構成に、ワタナベジムの渡辺均会長は「頭おかしいんじゃないのか!」と激怒。同じく2日前にWBAから立会人を命じられた安河内事務局長は「不公平とは言えないがアンフェアな印象を与える」とし、調整に乗り出した。ポランコ氏に代わりIBFジャッジの資格を持つ中村氏が入り、選手と同じ国のジャッジが1人ずつという構成に変更された。

 田口が「正々堂々、激しい打ち合いをしたい」と希望する一方、ブドラーはフットワークが持ち味のテクニシャンで、判定まで粘られる可能性もある。それだけに、異例の前日変更は王者にとって追い風となった。「試合の鍵はジャブ。先手先手で行きたい」。主導権を握ったまま、判定になっても明白な勝利を目指す。

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