まさかの大番狂わせ！パッキャオ判定負けで王座陥落「何の言い訳もない」

ホーン（左）と激闘を繰り広げるパッキャオ　（ＡＰ）
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　ボクシングのＷＢＯ世界ウエルター級タイトルマッチ１２回戦は２日、オーストラリア・ブリスベンのサンコープ・スタジアムで行われ、王者マニー・パッキャオ（３８＝フィリピン）が挑戦者の同級１位ジェフ・ホーン（２９＝オーストラリア）に０―３で判定負けして初防衛に失敗し、王座から陥落した。１５年５月にフロイド・メイウェザー（米国）に敗れて以来の黒星を喫した６階級制覇王者パッキャオは６８戦５９勝（３８ＫＯ）７敗２分け。世界初挑戦で大番狂わせを起こしたホーンは１８戦１７勝（１１ＫＯ）１分け。

　真っ青な空の下、５万５０００人収容の屋外競技場に詰めかけた地元ファンの声援を受け、ホーンが１回から積極的に打って出た。左右へ細かくステップを踏んで素早く踏み込み、ロープへ詰めて右からコンビネーション。接近戦でも体格差を生かして押し込んだ。２回にはホーンがボディーを打ち込み、パッキャオが左カウンターを返して見せ場をつくった。３回に入るとパッキャオの左が当たり始め、ホーンがやや大振りに。それでもホーンは動きを止めることなく被弾を防ぎ、先にワンツーを出し続けた。

　６回、ホーンがロープへ押し込んだ際に頭をぶつけ、さらにヘッドバットしてパッキャオが頭の右から出血したためレフェリーが注意。しかし、ラウンド終盤にホーンの右ストレートが入り、パッキャオがぐらついた。７回にはまたもバッティングでパッキャオが頭の左から出血。だが、ホーンはパッキャオの左に対して右を打ち込み、優位に試合を進めた。

　８回、パッキャオのバッティングからのプッシングでホーンがスリップダウン。しかし、終盤に左を入れるとホーンの動きが止まった。９回にはパッキャオが左を中心に攻勢をかけて挑戦者をぐらつかせたが、やや大振りで精度を欠き、フラフラになったホーンも手を出して抵抗した。

　１０回は、インターバルにレフェリーから「下がり続けるようなら試合を止める」と注意されたホーンが捨て身で反撃。１１回もホーンが前に出続け、パッキャオも左を返したもののガス欠気味となった。最終１２回にはホーンが打って出てクリンチを繰り返したが、パッキャオは振り切れないまま試合終了。ホーンは勝利を確信して腕を突き上げた。

　レフェリーの採点は１人が１１７―１１１、２人が１１５―１１３で、いずれもホーンを支持。ホーンはインタビューで「みんなが応援してくれたから勝てた」と大観衆に感謝した。「いつかこういう日が来ると思っていた。再戦？構わない」と話した。一方のパッキャオは「ホーンは勝利にふさわしい選手だった。何の言い訳もない」と語り、「この試合から学んだことを次に生かしたい。再戦？やります」と現役続行を強調した。