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全勝守った!メイウェザー 大ブーイング浴びても“自画自賛”

[ 2015年5月4日 05:30 ]

世界ウエルター級王座統一戦で、マニー・パッキャオ(右)の顔面にパンチを浴びせるフロイド・メイウェザー

世界ウエルター級王座統一戦 ○WBA・WBC王者フロイド・メイウェザー(38) 判定 ●WBO王者マニー・パッキャオ(36)

(5月3日 ラスベガス)
 「世紀の一戦」は無敗の5階級制覇王者メイウェザーに軍配が上がった。巧みなディフェンスで6階級制覇王者パッキャオに決定打を許さず、右を主体にカウンターを当ててポイントを稼いで3―0の判定勝ち。ウエルター級のWBAスーパー王座とWBC王座の防衛に成功し、WBO王座も獲得して3団体王座統一に成功した。プロ入りから48戦全勝としたメイウェザーは、9月の試合で引退する意向を口にした。

 華麗なダンスは最終回まで続いた。相手の強打を空転させるステップを切り続けたメイウェザーが、終了10秒前から右腕を高々と掲げて勝利を誇示する。すさまじいブーイングの中、読み上げられた判定はジャッジ2人が4点、1人が8点差をつける文句なしの快勝。「彼は本物のファイターだ。頂点を極めた理由が分かった。敬意を表したい」。パッキャオを称えながらも「俺は知的だった。全てを計算し尽くして、それを完璧にやってのけた」と自賛した。

 ファイトマネー合計額が最低でも2億ドル(約240億円)という注目の一戦で、ディフェンスマスターぶりを発揮した。強固なガード、ロープ際でかわすサイドステップ、一瞬でパンチの軌道外へ逃げるスエーバック、腰付近まで頭を下げるダッキング。パッキャオを手詰まりにさせると右カウンター主体に軽いパンチを当ててポイントを稼ぎ鋭いジャブで空間を支配した。

 データ会社「Compu Box」によると手数こそ435発―429発と互角だったが、ヒット数は148発―81発と圧倒。強打のヒット率でもパッキャオの27%(236分の63)に対し、48%(168分の81)と優勢だった。

 叔父が元世界王者で父が元世界ランカーというボクシング一家の出身。しかし、防御重視のスタイル、「史上最高」と自称する傲慢(ごうまん)ぶり、派手な私生活ぶりで米国内でも悪役だ。それでも、誰も破ることができない防御は38歳の今も健在。スーパーフェザー級からスーパーウエルター級までの5階級を制し、プロデビューからの連勝は48に伸びた。

 あと1勝で49戦無敗のまま引退したロッキー・マルシアノ(米国)に並ぶが「9月に1試合やって引退する」と宣言した。契約延長交渉を有利に運ぶ手段としての“引退宣言”と予想するメディアに対し「今は勝利を喜びたい。記者や評論家が勝手なことを言っていたが、あすの新聞がどんな記事を載せるのか楽しみだ」と不敵に笑った。

 ◆フロイド・メイウェザー
 ☆生まれ 1977年2月24日、米ミシガン州
 ☆サイズ 身長1メートル73、リーチ1メートル83
 ☆アマ戦績 通算84勝6敗。96年アトランタ五輪フェザー級銅メダル。
 ☆タイトル 98年10月にWBC世界スーパーフェザー級王座獲得後、ライト、スーパーライト、ウエルター、スーパーウエルターの計5階級で世界王座獲得。
 ☆問題児 01年から内縁の妻への暴行で、繰り返し起訴される。10年9月、内縁の妻への暴行罪で逮捕され、12年6月から約2カ月間服役。11年9月のオルティス(米国)戦ではバッティングに激怒し相手が謝罪のために両手を前に出した瞬間にパンチを打ち込み4回KO勝利。
 ☆億万長者 米経済誌「フォーブス」が発表するスポーツ選手の長者番付で14年は1億500万ドル(約126億円)で1位。2位はサッカーのC・ロナウドで8000万ドル(約96億円)。15年の試算は1億5000万ドル(約180億円)で、08年のゴルフのタイガー・ウッズが記録した最高額1億2500万ドル(約150億円)を上回る見込み。

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