ボンバーレフト健在!三浦TKOでV3 内山と統一戦「やりたい」
WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ ○王者・三浦隆司 6回2分15秒TKO ●同級1位・エドガル・プエルタ
(11月22日 横浜国際プール)
ダブル世界戦が行われ、WBC世界スーパーフェザー級王者の三浦隆司(30=帝拳)は同級1位のエドガル・プエルタ(32=メキシコ)を6回TKOで下し、3度目の防衛に成功した。激しい打ち合いの中、自慢のボンバーレフトで1回にダウンを奪い、6回にレフェリーストップを呼び込んだ。
小細工なんて通用しない。11カ月のブランクで序盤こそ硬さがあった三浦だが、右構えから左構えに頻繁にスイッチして幻惑しようとするプエルタに対し、前に出て容赦なく攻めた。好戦的な男同士、激しい打ち合いになったが、そうなれば強いのはハードパンチャーの王者だ。1回に左フックでダウンを奪取。ボディーと顔面を打ち分けて追い詰めると、6回にはボンバーレフトがさく裂。カウンターの左ストレートでプエルタの膝を崩し、左右の連打で追い立てると、レフェリーはもう止めるしかなかった。
「(相手は)なかなかしぶとかった。ホッとしました」。リング上で長男・武元くん(3)を抱くと、テレビを通じて先月15日に生まれたばかりの長女・莉禾ちゃんにも「パパ勝ったよ」と笑顔で報告した。
左目の上をパックリ切って、真っ赤に腫れたプエルタの顔が三浦のパンチの強さを物語っていた。対メキシカン世界戦4連勝で、奪ったダウンは計9回。相手に強烈なダメージを与える拳は鉄アレイにナックル部分をコツコツ叩きつける前時代的な方法で鍛えている。「昔テレビで空手の選手がやっているのを見て、プロになって始めた」。元世界王者の帝拳ジム・浜田剛史代表もかつて使った鍛錬方法。「おかげで骨折したこともない。スパーリング相手にもよく硬いと言われる」。決して科学的ではないが、自分の拳を信じる力になっている。
3度の防衛は1位、2位、1位と全て上位ランカーの挑戦を退けてのもの。3年前に完敗しているWBA王者の内山高志(ワタナベ)との団体王座統一戦の期待がますます膨らんできた。「実力が競ってきている自信はある。ぜひやりたい」。雪辱の舞台に立つ準備は整った。
▼WBC世界バンタム級王者・山中慎介 (三浦は)確実に成長していると感じた。
◆三浦 隆司(みうら・たかし)1984年(昭59)5月14日、秋田県三種町生まれの30歳。金足農高卒。横浜光ジムから03年プロデビュー。11年帝拳ジム移籍。13年4月に2度目の世界挑戦で、WBC世界スーパーフェザー級王座を獲得。1メートル70。左ボクサーファイター。家族は夫人と長男、長女。日本フェザー級王座を2度防衛した三政直は叔父。
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