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井岡陣営 大みそか3階級制覇を見据えた戦略、フライ級へ適応

[ 2014年9月16日 23:22 ]

9回、激しく打ち合うカリージョ(左)と井岡

フライ級ノンタイトル10回戦 井岡一翔 3―0判定 パブロ・カリージョ

(9月16日 東京・後楽園ホール)
 プロボクシングの元世界2階級制覇王者の井岡一翔(25=井岡)が4カ月ぶりの再起戦を3―0の判定勝ちで飾った。フライ級(50.8キロ以下)での試合はミニマム級(47.6キロ以下)、ライトフライ級(48.9キロ以下)に続く3階級制覇に失敗した5月の世界戦に続きこれが2戦目となった。

 井岡陣営には大みそかに再びフライ級で世界挑戦する計画がある。今回はノンタイトル戦だっただけに、対戦相手の合意の下、契約体重を設けて、体重をしぼることによる体への負担を軽減する選択肢もあったが、それをしなかった。すべては年末の世界戦を見据えフライ級に慣れることを目的にしたものだ。リミットはライトフライ級の48.9キロからフライ級の50.8キロへ1.9キロ増えるだけだが、プロ初黒星を喫した前回の試合でパワーはもちろんリーチなど体格差も痛感したという。それだけにこの4カ月間、筋トレにも励んでパワーアップすることにも力を注いできた。

 通常、軽量級ではパンチが軽い分、KOが少ないといわれる。だが、井岡は世界戦に限ってもミニマム級で2KO、ライトフライ級でも3KOを飾っている。これはパワーに頼らず、相手の急所を確実に打ち抜く技術を備えていればこそだ。

 経験を積めばフライ級でもやれる。ミニマム級時代に拳を交えた八重樫東(大橋)、軽量級最強といわれるローマン・ゴンサレス(ニカラグア)と好敵手が多くファン垂涎(すいぜん)のカードも決して夢ではない。

 再起戦を飾った試合後のリング上、井岡は「チャンピオンになった時が本当のカムバック」と言った。年末に控える井岡の大一番に注目だ。

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