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内山が初防衛!6回TKO勝ち

[ 2010年5月17日 20:42 ]

2R、内山高志の左がアンヘル・グラナドス(右)の顔面にヒット

 世界ボクシング協会(WBA)スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦は17日、さいたまスーパーアリーナで行われ、チャンピオンの内山高志(ワタナベ)が同級13位のアンヘル・グラナドス(ベネズエラ)を6回1分42秒、TKOで下して初防衛に成功した。1月に世界初挑戦で王座についた30歳の内山は、序盤から右ボディーと右フックでペースをつかんだ。身長で約13センチ高い挑戦者との距離を詰め、6回に強烈な右フックでダウンを奪うとレフェリーが試合を止めた。戦績は内山が15戦全勝(12KO)、グラナドスは27戦18勝(8KO)9敗。日本のジムに所属する男子の世界王者は4人のまま。

 世界戦での敗戦が続いていた日本ボクシング界の悪い流れを、内山が食い止めた。王座奪取時に続くKO勝利。「すごく緊張感があった。プレッシャーもあったが、それが力になった」と笑顔で拳を突き上げた。
 「大きな相手をどう攻略するのか見てほしい」という言葉通り、身長で約13センチ上回る185センチのグラナドスを撃破した。ボディーブローでガードを下げさせ、スタミナも奪った。大木におのを振り下ろすように右のストレート、フックを打ち込んだ。勝負どころの6回、右フック一撃でキャンバスに沈めた。
 3月以降、男子の世界王者の成績は1勝3敗。スーパーバンタム級の西岡利晃(帝拳)が勝った以外はフライ級の亀田興毅、バンタム級の長谷川穂積(真正)、スーパーフライ級の名城信男(六島)が陥落した。
 1月に王者となった内山は「自分には実績もない。気持ちは挑戦者と同じ」と、戴冠から10日後に早くも練習を再開。走り込みと自転車トレーニングで心肺機能を高め、自慢の強打を何度も繰り出せるようにした。
 今後は暫定王者との統一戦や、元王者で2階級覇者のリナレス(帝拳)との大一番が予想される。30歳の遅咲きの王者は「1戦1戦勝つことだけを考える」と力強く誓った。

 ◆アンヘル・グラナドスの話 ダメージはなかったので、もっと闘いたかったがレフェリーが止めた。内山はスピードがあり自分の距離で闘えず、やりにくかった。ハートが強く、パンチ力もある偉大な王者だ。

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2010年5月17日のニュース