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内藤、再起戦5回KO勝ちも…ポンサクレック戦に不安

[ 2010年5月10日 06:00 ]

<内藤大助×リエンペット・ソー・ウィラポン>4R、左フックを放つ内藤

 元WBC世界フライ級王者・内藤大助(35)が、161日ぶりの再起戦を5回KO勝利で飾った。5回にタイ人のリエンペットから3度のダウンを奪い勝負を決めたものの、内容的には動きに切れがなく今後に不安を残した。今秋にも予定される現王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(32=タイ)への挑戦に向け、課題克服が急務となりそうだ。

 期待と不安が交錯するKO劇だった。昨年11月29日、亀田興毅(東日本協会)に判定で敗れて以来161日ぶりの再起戦。内藤は格下のタイ人、リエンペットに手を焼いた。動きにスピードがなく、パンチに切れもない。左ボディーを繰り出せば、楽々と右フックをかぶせられ内藤の顔面をかすめた。
 「格下が相手だと倒して当たり前だし難しいよね~。相手はカウンター狙ってたし、パンチもあったよ」。ようやく5回にワンツーの右を利かせ、連打で3度のダウンを奪いKO勝ちした。だが、目標はあくまで世界戦の舞台。調整不足なのか、それとも35歳8カ月と年齢による衰えなのか。いずれにしても、切れのない動きは今後に不安を残した。
 内藤の次戦は、所属する宮田ジムの宮田会長が次期挑戦権を持っているため、秋にも現王者ポンサクレック(タイ)との5度目の対戦が有力。3月に興毅を子供扱いにした相手だけに、百戦錬磨の内藤でも決して油断できない。この日、1階級上のスーパーフライ級で試合が組まれたこともあり、内藤は「年々、体重が重くなってるし、スーパーフライ級がベストなのかもしれない。じっくり考えてから決めたい」と結論を持ち越した。
 当初は興毅へのリベンジを目指していたが、興毅がポンサクレックに敗れたことで断念。前WBA世界スーパーフライ級王者・名城信男(六島)に照準を合わせ2階級制覇に挑むプランもあったが、こちらも前夜の名城の敗戦で“撤退”することになりそうだ。
 「とりあえずゆっくり休むわ」と内藤。日本人の世界戦年長勝利は越本隆志の持つ35歳25日。8月30日に36歳の誕生日を迎える男に、ボクサーとして残された時間は少ない。

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2010年5月10日のニュース