×

小堀 日本人3人目のライト級チャンプ!

[ 2008年5月19日 21:34 ]

3回、アルファロ(右)からダウンを奪う小堀

 世界ボクシング協会(WBA)ライト級タイトルマッチ12回戦は19日、東京・ディファ有明で行われ、世界初挑戦で同級7位の小堀佑介(角海老宝石)がチャンピオンのホセ・アルファロ(ニカラグア)を3回2分8秒、TKOで破って新王者となった。

 26歳の小堀は日本、東洋太平洋の前スーパーフェザー級王者で、1階級上で世界王座に就いた。日本選手の世界ライト級タイトル奪取は1974年のガッツ石松、2000年の畑山隆則に続き3人目。
 戦績は小堀が26戦23勝(12KO)2敗1分け、初防衛に失敗した24歳のアルファロは25戦20勝(18KO)4敗1無効試合。
 日本のジムに所属する現役世界王者は6人となった。

 ≪普段はボヨ~ン…試合じゃシャキーン≫小堀は恐れを知らない闘いを貫いた。「それしか持ってないから。負ける方がよっぽど嫌」。その戦闘姿勢はライト級で日本選手3人目の世界王者にふさわしかった。
 2回にダウンを喫した。ダメージは少なかったが、アルファロの強打を実感して「心が折れそうになった」。それでも攻め込む気持ちを持ち続け、3回に積み重ねた練習が結実する。左フックでダウンを奪い返した。
 「練習でやっていたパンチ。狙ったのでなく、自然に出たのがうまく当たった」。ふらつく王者を持ち前の回転の速い連打で攻め立て、レフェリーストップに結び付けた。
 リングに立つと一変するが、素顔は茫洋とした26歳の若者だ。13日のアルファロの公開練習に、寝坊した小堀は姿を見せなかった。対戦相手の動向は最も気になりそうだが「見ようと思っていたけど起きられなかった」。トレーナーからの電話が鳴るまで昼寝したままだった。
 世界的に層が厚いライト級は、王座に挑戦することさえ難しい。試合を組んだ後援者への感謝を表すためにも「気持ちを前に出す試合をしたかった」と新チャンピオン。日常からは想像もつかない心の強さで快挙を成し遂げた。

 ▼アルファロの話 あと2ラウンドあれば、自分のペースに持っていけたが…。小堀の左フックが先に入り、自分が倒れた。いつもの試合通りにはいかなかった。

 ▼原田政彦・日本プロボクシング協会会長の話 小堀は本当に根性がある。打って打って下がらず前に出た。素晴らしい試合だった。
 ▼大橋秀行氏(元世界ミニマム級王者)の話 1回に右ストレートがタイミング良く決まった時、2回に(小堀が)倒れてもカウンターで倒すチャンスがあると思った。3回でばっちり決まったね。

 ◆小堀 佑介(こぼり・ゆうすけ)00年2月プロデビュー。06年1月、日本スーパーフェザー級王座決定戦でTKO勝ち。07年5月に東洋太平洋同級王座決定戦を兼ねた防衛戦でTKO勝ちするなど、日本タイトルを通算6度防衛した。左フックが武器の強打の右ファイター。戦績は26戦23勝(12KO)2敗1分け。26歳。千葉県出身。

続きを表示

2008年5月19日のニュース