「夜中にひらめいた」横浜伝説の名将・渡辺元智氏が贈った色紙 教え子の村田監督に「不易流行」を見た

[ 2026年1月31日 23:12 ]

村田監督(左)と渡辺元智氏(撮影・柳内 遼平)
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第98回選抜高校野球大会(3月19日から13日間、甲子園)に出場する横浜(神奈川)は31日、横浜市内のグラウンドで紅白戦を行った。

 同校を春夏合わせて5度の甲子園優勝に導いた名将・渡辺元智氏がナインを激励に訪れ「いつも言っていることですが“目標がその日を支配する”。みんなで一つの塊になって、春の連覇を目指してほしい」とエールを送った。

 御年81歳、「YOKOHAMA」愛は少しも薄れることはない。前日の出場校発表はテレビにかじりついた。「だんだん上(北海道)から出場校が決まっていくでしょう。下がっていくにつれて“本当に選ばれるのかな…”と」。期待と不安が入り交じる中、母校は関東・東京の最後の6枠目に滑り込んだ。

 吉報が届き、渡辺氏は動いた。自宅で色紙と墨汁を用意。選抜に挑むチームを勇気づける言葉を考え、筆を走らせた。30枚以上やり直した後、渾身の1枚が完成した。

 「全員野球 チームは一つの塊 横浜高校野球部元監督 渡辺元智」

 一夜明け、横浜市内の練習グラウンドを訪れた。そして、色紙を手渡すと、村田浩明監督は深く頭を下げた。チームは一つの塊――。思いを込めたワードだ。

 「夜中にひらめいたんですよ。“あ、塊だ!”と。1人、ひとりに個性がある。その個性を1つの塊にすると凄いチームができるんだってね。選手にも分かりやすくて、いいんじゃないかな。塊は簡単には崩れないからね」

 一昨年の明治神宮大会で優勝、昨年の選抜は19年ぶりに優勝。教え子の村田監督が令和に横浜黄金時代を復活させた。渡辺氏は一人の指揮官として誇りに思っている。

 「村田監督、コーチたちが僕ら昔の人間の思いを引き継いでくれている。まだまだ村田にとって道半ばなんですけど、今も横浜の伝統を継続してくれていることが何よりうれしい。彼に感謝ですよ」

 渡辺氏は史上5位タイの甲子園通算51勝をマークしているレジェンド監督だ。村田監督は通算10勝。数字としては恩師に遠く及ばない。それでも「汗と根性」だけでは指導できない令和の時代に選手を導く手腕を評価している。

 「村田監督が(横浜の選手時代に)私の姿を見て、良いところを継続し、変化もした。まさに不易流行を体現しています。今、この難しい時代に彼は子どもたちの個性を引き出すことができる。彼は厳しいですよ。でも、厳しい中にも愛情があるから子どもたちにも思いが伝わっている」

 名将から託された「チームは一つの塊」の言葉。ナインが甲子園で体現することができれば、史上4校目の選抜連覇は近い。(アマチュア野球担当キャップ・柳内 遼平)

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