長嶋さんの強い意志で実現した対面 思い入れの強いドジャースで奮闘中の「ミスター二刀流」へエール

[ 2025年6月4日 06:30 ]

長嶋茂雄さん死去

大谷翔平のインスタグラム(@shoheiohtani)から

 ミスターが最後に公の場で対面したのが大谷だった。体調を不安視する周囲の心配を押し切り、車椅子で東京ドームを訪れた。巨人とのプレシーズンゲームに挑む大谷を激励。長嶋さんの強い意志で実現した2人だけの時間を楽しんだ。

 「こんな選手はいない」と日本ハムでの二刀流育成を後押ししていた長嶋さん。メジャー移籍1年前の16年オフ、取材現場で初対面した。大谷も「言葉だけではなく、話している感じとか人柄。現役(時代)を知らない僕らでもそう感じるということは、それだけ魅力があるということ」と感激。21年オフを皮切りに複数回食事を共にし、国民的スター同士の交流を重ねた。

 22年9月に転倒して脳内出血で緊急入院。翌23年3月WBCで、大谷を擁する侍ジャパンが3度目の世界一に立つ姿は病床で見届けた。近年はテレビで大谷の活躍をチェックするのが常だった。

 ドジャースも思い入れの強いチームだった。プロ4年目の61年春、巨人は当時のド軍のキャンプ地、フロリダ州ベロビーチで春季キャンプを実施。躍動感あふれるプレーを見た当時のウォルター・オマリー・オーナーが入団を勧誘した。メジャーに憧れていた長嶋さんは正力松太郎オーナーに移籍を申し入れたが、実現せず。「時代が早すぎたのかな。行けたらどうなったか」と振り返っている。

 今年春には“対決”が実現。警備サービス大手「セコム」のCMで、2人がCGで対戦した。投手・大谷に打者・長嶋が立ち向かう。「共演、そして“対決”までさせていただけるとは、喜びと興奮が入り交じっています。打者長嶋茂雄としてどの球種を待つか。やはりストレートを狙いたい」と喜んだ長嶋さん。大谷も「日本のプロ野球といえば長嶋茂雄さん。うれしかったです」と話していた。

 プロ野球の人気を押し上げた「ミスタープロ野球」から、世界を舞台に戦う「ミスター二刀流」へ。「これからも多くの野球ファンの希望であり続けてください」とエールを送っていた長嶋さん。大谷も「僕が長嶋さんにそういう感情を抱いたように(その空気感は)目指すものではなく、それは周りが決めること」と課せられた使命を受け継いでいく。 (伊藤 幸男)

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