名門揃いの社会人野球西関東に「シダックス魂」受け継ぐ新鋭 B―NEXT松尾優治監督「都市対抗へ」

[ 2024年2月26日 22:09 ]

26日、オールフロンティア戦で初陣を飾り笑顔のBーNEXTナイン(撮影・柳内 遼平)
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 今季から社会人野球の西関東地区に参戦するクラブチーム「B―NEXT」は26日、埼玉県内のひばりケ丘球場でオールフロンティアと初の対外試合を行い、4―3で勝利した。

 クラブチームのハナマウイ時代は部長として初の都市対抗出場に貢献した松尾優治監督は「“やれる”と選手が思ってくれれば収穫。2月の始動から時間は経っていないんですけどまず、勝つことを大優先にしたい。反省する点は多くありますが1つ1つ修正して積み重ねていきたい」と充実感をにじませた。

 選手15人中12人が今春に大学を卒業するフレッシュなメンバーが躍動した。先発したサイド右腕・石倉春輝投手は石巻専大時代にリーグを代表する投手として活躍。9回を無失点に封じた最速149キロ右腕・黒沢颯斗は平成国際大で主戦投手。「1番・二塁」で出場した菅原礼央内野手は仙台大で昨年の全日本大学野球選手権出場に貢献した実績がある。
 
 スカウトを兼任する松尾監督が全国に足を運び、各校の指導者に熱意を伝えて迎え入れた選手たち。「本当に選手を預けていただいた各大学の指導者さん、スタッフさんに感謝の気持ちしかありません。ゼロからのチームに素晴らしい選手を送り出していただいたので、どうやって恩を返すかといえばもう勝つしかない。1年目から勝ちに行くチームをつくります。選手が社会人として成長し、高いモチベーションで野球ができ、最後に笑えれば何よりうれしい」と松尾監督。非公式戦ながら初戦の勝利はチームに推進力をもたらす。

 かつて野村克也監督が指揮したことでも知られる社会人野球チームのシダックスが使用していた調布市の調布基地跡地運動広場が主な練習拠点。03年には都市対抗野球で準優勝するなど実績を残しながら06年限りで廃部となったシダックスの精神を受け継ぎ、まずは社会人野球最高峰の舞台である都市対抗出場を目指す。「チーム結成に伴い、スカウトをする中で10人近くのシダックスOBにお会いしました。最後にお会いしたのがシダックス最後の監督をされた田中善則さん。“シダックスの地で練習する以上は受け継いでほしい”と言葉をいただいた。かつて同じグラウンドから都市対抗で準優勝したという事実が選手の“やれるぞ”とい気持ちにつながると思います」と熱き思いを言葉にした。

 西関東地区はENEOS、東芝、三菱重工Eastなど強豪がそろい、さらに25年には名門・日産自動車が復活する。同地区から都市対抗はわずか2チームしか出場できない「スーパー激戦区」だが、松尾監督は「野球は何が起こるか分からない。いまこの時代に社会人野球、クラブチームの価値を上げるために挑んでいきたい。“初年度から都市対抗”という言葉をキーワードにしながら動いています」と力強い。社会人野球をアツくしてきた「西関東」の熱気がさらに高まりそうだ。(柳内 遼平)

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