DeNA・今永 バウアーという「奇跡」とともにVへ「彼から学ばないといけない」

[ 2023年7月22日 05:30 ]

後半戦への意気込みを「柱」と書き込んだ今永(撮影・椎名 航)
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 DeNAは22日の巨人戦(横浜)で、シーズン後半戦を迎える。現在3位のチームは首位・阪神に3ゲーム差と、98年以来25年ぶりのリーグ制覇へ好位置につける。後半戦の鍵は6勝1敗、防御率2.07のエース・今永昇太投手(29)のフル回転。トレバー・バウアー投手(32)ら充実した先発投手陣とともに腕を振り続ける決意を、左腕がスポニチ本紙の独占インタビューで明かした。(聞き手・大木 穂高)

 ――いよいよ残り60試合。
 「あと11、12試合は(先発で)投げると思うので、自分の登板試合を落とさないように。それに尽きる」

 ――今季前半戦のいい点、悪い点は?
 「直近6試合は、7回以上投げて、平均が7.2回。自信にしていい。悪い点は、8回1失点でもチームが負けた点ですね」

 ――今季はバウアーがいる。残り試合の共闘にも期待が懸かる。
 「僕らは今(バウアーがいる)奇跡を見ている。さすが本物。同じ空間で野球をやることが奇跡。優勝を目指しながら、彼から学ばないといけない。サイ・ヤング賞を受賞した投手が来ている」

 ――両投手を見ると差はない。でも馬力が違う。今永投手の中4日の登板は難しいか?シーズン終盤など。
 「2、3回ならできると思う。バウアーは、鍛えながらリカバリーをしている。そして、リカバリーしながら鍛えている。その巡りをつかまないと難しい。それを平然とやってのけている。パフォーマンスも高い。数年前に中竹竜二さん(50=元早大ラグビー部監督)に、本人が持つ能力を、いかにパフォーマンスとして出すかについて聞いたことがある。バウアーはまさにそれができている」

 ――2人の登板数が増えれば、優勝へ向けての武器になる。
 「バウアーも“俺が支える”とは思っていないでしょう。僕たちがチームを救う特別感はないが、その思いは内に秘めて、淡々と仕事をしていきたい」

 ――バウアーという「奇跡」が起きている間に何とかしたい。
 「そうですよね。まさか、皆さんもバウアーの記事を書いたり、写真を撮ったりするとは思っていなかったでしょうし」

 ――球宴では(バウアーは)球種を予告して投げていた。
 「盛り上げようとする姿勢がうれしかった。僕たちもプロ野球を盛り上げられるように頑張らないと」

 ――ところで、毎年今永投手の考え方は変化している。今季特に、メンタル的な部分で充実している点は。
 「足りないところばかり。山本(オリックス)、佐々木朗(ロッテ)、戸郷(巨人)投手。とんでもない能力を持っているし、打者で言えば、岡本和(巨人)村上(ヤクルト)選手たちを圧倒できていない。やってもやっても強敵が現れる。そこを倒していかないと」

 ――リーグ優勝は25年ぶりとか、98年以来とか、そうした数字をどう思っている?
 「周囲が言うことで、自分たちを追い込むことはないと感じている。普段通り、特にプレッシャーもなく。自分自身にそう言えるシーズンを送りたい」

 ≪後半戦初先発は25日濃厚≫チームはこの日、横浜スタジアムでナイター練習を実施したが、球宴に参加した今永は免除された。三浦監督は「オールスターに参加した選手は休んでもらった」と明かした。順調なら25日の中日戦で先発が濃厚。球宴では20日の第2戦で3回から2番手で1イニングを無失点。全て直球で盛り上げ「前回登板の影響もなく、ケガもなく投げられて良かった」と話していた。

 ◇今永 昇太(いまなが・しょうた)1993年(平5)9月1日生まれ、福岡県出身の29歳。北筑では甲子園出場はなし。駒大では東都大学で3年秋に7勝で優勝に貢献してMVPも受賞。15年ドラフト1位でDeNAに入団。昨年6月7日の日本ハム戦でノーヒットノーランを達成。1メートル78、86キロ。左投げ左打ち。

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