こりゃ怪物や!阪神ドラ2横田 中田級130M弾 掛布DC「期待通り」

[ 2014年2月10日 08:55 ]

(左から)平田2軍監督、黒田ヘッドが見守る中、初の屋外フリー打撃で快音を連発する

 衝撃のデビューだ。阪神安芸キャンプに参加するドラフト2位の横田慎太郎外野手(18=鹿児島実)が9日、初めて臨んだ屋外フリー打撃で42スイング中6本の柵越えを放った。締めくくりは、掛布雅之GM付育成&打撃コーディネーター(DC=58)を「期待通りの飛距離」とうならせるスコアボード直撃弾。将来のトリプル3打者へ、夢が膨らむ好スタートを切った。

 安芸市営球場がどよめいた。横田のフリー打撃のラスト1球だ。ゆったりとした大きくかつ、背筋が伸びた奇麗な構えから、吉田2軍バッテリーコーチが投げたボールを完ぺきにとらえた。打球は一直線。右中間スコアボードに突き刺さった。推定飛距離130メートル。その直前の球もオーバーフェンスで、ラスト2球でアーチを連発した。

 「フリーはパワーで飛ばせたけど、実戦で打てないと意味がない。練習するしかない。きょうはレベルの差を感じました」

 フリー打撃後の実戦形式のシート打撃が3の0、1四球に終わり、反省が口をついて出た。だが、それは自分に厳しすぎるというもの。キャンプ初日に発熱で離脱し、この日が初の全体練習にして、初の屋外フリー打撃。「不安しかなかった」というデビュー日に、6発もの柵越えを放ったのは十分、驚きに値する。

 高校出新人がキャンプ初日にスコアボード直撃…。08年にそれをやってのけた日本ハム・中田は、今や球界を代表するスラッガーだ。横田はまた、ミート力も抜群。入団からの1カ月強で「バットは1本しか折ってません」と語る。木製慣れしていない中で、なかなかできることではない。

 アピール材料はまだある。足だ。シート打撃中、平凡な二ゴロで、アウトかセーフか微妙なタイミングに持っていった。俊足好打で鳴らした元ロッテ外野手、父・真之さん譲りのセンスは本物。ベールを脱いだドラフト2位に、平田勝男2軍監督も賛辞を惜しまない。「たたんで打つ手のさばき方は独特の感性がある。足もあるし、3番タイプに育てないといけないと感じた」。金の卵であることは明白だった。

 連日付きっきりの担当・田中秀太スカウトはドラフト前の“争奪戦”を懐かしそうに振り返った。「中村GMが視察に行きたいっていうのを拒否しました。GMが来れば他球団にバレるでしょ?」。狙いを悟られないために、他にも一計案じた。マークをしていれば、3年夏の地方大会をほぼ毎試合見るものだが、田中スカウトは他球団の気配が薄れた準決勝しか見なかったという。隠密行動―。そこまでして獲りたい逸材だったのだ。

 3割、30本、30盗塁のトリプル3も夢ではないセンスの持ち主。桧山進次郎氏の後を継いだ背番号24は、虎の未来を背負う可能性を秘めている。

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