新十両・大の里 無傷5連勝 無類の阪神ファンだが“アレ”は意識しない

[ 2023年9月15日 05:00 ]

大相撲秋場所5日目 ( 2023年9月14日    東京・両国国技館 )

<大相撲秋場所5日目>紫雷(手前)を寄り切りで破る大の里(撮影・会津 智海)
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 新十両の大の里が紫雷を一気の寄り切りで破り、無傷の5連勝を飾った。プロ3場所目は1メートル92、176キロの体格を生かし5日目にして単独首位。子供の頃からファンというプロ野球阪神に負けじと「アレ(優勝)」にまっしぐらだ。幕内は新大関・豊昇龍が玉鷲を押し出して連敗を3で止めるなど3大関が今場所初の安泰。勝ちっ放しはいなくなり、大関・貴景勝、平幕の豪ノ山、阿武咲ら8人が1敗で並んだ。

 先場所までにはなかった自信に満ちた表情が大器の充実ぶりを表している。大の里は立ち合いで右を差し込むと、迷わず出ながら左をねじ込んで一気に前に出た。初日こそ土俵際でもつれたが、全て前に出て無傷の5連勝。「下がらず自分の相撲が取れている。ここまではうまくやれている」と満足そうに笑みをこぼした。

 連日大勢の報道陣に囲まれるなか「一日一番」を強調する。2年連続アマ横綱など輝かしい実績を引っさげ角界入り。幕下は2場所通過も土俵際の詰めの甘さで4敗した。トーナメントなど一日に何番も取る学生時代とは違って、その日の一番に集中することを求められる。デビュー3場所目でプロとしての「戦い方」をつかみ、今場所は持ち前の豪快な取り口が発揮されている。

 家族全員が熱烈な阪神ファン。「今年は投手陣が素晴らしい。パワーをもらっている」と猛虎の快進撃を追い風にしている。先代の大ノ里は「相撲の神様」と言われたが、「桧山選手が好きでした。代打の神様みたいな…」と阪神の話となると口調も滑らかだ。

 単独トップに立ち、昨年秋場所の栃武蔵以来となる新十両優勝の期待もかかる。優勝という言葉を口にしなかった岡田監督にならい、23歳のホープも「“アレ”は意識せずにやっていきたい」と呼応した。一日一番に集中し、ひいきの球団に続く「アレ」を目指す。

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