絆のたすきつないだ 双子の姉から引退する妹へ 森田姉妹躍動でパナソニック初優勝

[ 2023年1月23日 06:00 ]

第34回選抜女子駅伝北九州大会(スポニチなど主催) ( 2023年1月22日    小倉城歴史の道発着 5区間27・2キロ )

<選抜女子駅伝北九州大会>森田詩織は、姉の香織(右)から花束を受け取る(撮影・岡田 丈靖)
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 キャプテンのラストランに花を添えた。2年ぶり6回目出場のパナソニック(神奈川)が1時間28分14秒で一般の部初優勝した。今大会で現役を引退する4区の森田詩織(27)が、3区を走った双子の姉、森田香織(27)からもらった1位のたすきをつないだ。

 双子の姉から妹へ。渡ったのは絆という名のたすきだった。「いい状態ではなかったが2人で最後の駅伝だからトップで渡したくて前に前に進んだ」と3区の香織が力走。トップと2秒差で出るとすぐに先行する神村学園を逆転。パリ五輪代表を懸けるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)出場権保持者らしく区間1位で詩織の待つ中継所へたすきを運んだ。

 キャプテンのラストランにチームは一丸となった。「コロナで一番苦しい2年間を支え引っ張ってくれた。みんなが詩織のためにと心をひとつにしてくれた」と安養寺俊隆監督。香織は後続に35秒差をつけて笑顔で「今までありがとう」と詩織の背中を叩いてたすきを託した。詩織は泣きはらした目をサングラスで隠しながら「ありがとう」と返すと最後の駅伝へ飛び出していった。北九州市は詩織が昨年1月から3カ月間、右股関節の手術・リハビリで過ごした地。「病室で一緒だった方も沿道で応援してくれた」と再起に胸を熱くさせながら、首位で最終区へつないだ。

 中・高、実業団と15年間ともに走ってきた姉妹は初めて別々の道を歩く。香織は「マラソンの記録も勝負もレベルアップしていきたい」。詩織は「レースから離れても香織の身近にいてサポートしていきたい」。引退しても姉妹の絆は切れそうにない。(中島 泉)

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2023年1月23日のニュース