小平奈緒 引退会見で五輪汚職事件への思い吐露「五輪を利用されたくない」

[ 2022年10月27日 15:12 ]

引退会見に臨んだ小平奈緒(撮影・久冨木 修)
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 18年平昌五輪金メダリストの小平奈緒(36=相沢病院)が27日、都内のホテルで引退会見を開いた。今後は相沢病院所属のまま、講演やイベントの活動を行う予定。母校の信州大の特任教授に就任し、1年生を対象にしたキャリア形成や健康科学に関連する授業の一部を担当する。

 日本オリンピック委員会(JOC)のシンボルアスリートとして30年札幌五輪の招致に協力してほしいとの打診も受けたが、現時点では「今は競技力や五輪ではなくて、もう少しスポーツの純粋な楽しさをもう一度考えてみたい」と就任する意向はない。東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件に心を痛めており「五輪はスポーツをする人たちにとっても、それを支える人たちにとっても、それを観る人たちにとってもいいものであってほしいという願いはこれからも持ち続ける。私も4回の五輪を経験して、確かにそこで成長させてもらった。それを利用されたくない思いはある。純粋に世界を明るくする舞台であってほしい。五輪を目指すことは全然、悪いことじゃない。それを支えてくれる人たちが真摯(しんし)にスポーツと向き合ってくれることをただただ願っています」と語った。

 小平は五輪に4大会連続出場し、初出場した10年バンクーバーの女子団体追い抜きで銀メダルを手にした。18年平昌五輪は500メートルで金、1000メートルで銀を獲得。今年2月の北京五輪は大会1カ月前に右足首を捻挫した影響もあり、500メートルが17位、1000メートルが10位に終わった。4月に現役引退を表明し、現役最後のレースとなった今月22日の全日本距離別選手権の女子500メートルで優勝。8連覇を達成して有終の美を飾った。

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