23歳WTBフィフィタ 憧れのオールブラックスに「一番楽しみな試合 全てぶつける」

[ 2022年10月27日 04:34 ]

インタビューに応じるフィフィタ
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 【単独インタビュー】ラグビー日本代表は29日にニュージーランド代表とのテストマッチに臨む。W杯を来年に控える中、WTBとして主力に定着しつつあるのがスピードと破壊力に優れたシオサイア・フィフィタ(23=花園)。大一番を前に本紙の単独インタビューに応じ、覚悟と決意を語った。(取材、構成=西海 康平)

 憧れ続けてきたチームと試合ができる。ニュージーランド戦への抱負を問われると、フィフィタは少年のような笑みを浮かべた。「僕のラグビー人生で一番大きな試合になる。早く試合がしたい」。生まれ育ったトンガとニュージーランドは距離が近く、幼少期は「ラグビー=オールブラックス」だった。

 「昔から大きな存在で、テレビでも見ていたし、まさか自分が試合をするとは思わなかった。今までで一番楽しみな試合だし、自分が持っているものを全てぶつけたい」

 15歳でトンガを離れて日本航空石川高に留学した。天理大に進んでスケールアップ。4年時には大学日本一にも輝いた。近鉄(当時)加入後の21年に代表デビュー。今年6月からの代表戦(ジャパンXVも含む)では7試合中6試合に先発出場するなど、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチの信頼をつかみつつある。

 「全ての面で成長できているし、前より理解力も高まった」という手応えをつかんだのは7月9日のフランス戦だ。強豪相手に一時は15―7とリードしながら、徐々に追い上げられ、後半31分のトライで逆転負けを喫した。「本当に悔しかったけど、成長は実感できた」。課題とともに収穫を得て、自信を深めた。

 継続して先発起用される中、いよいよオールブラックスとの大一番。心身ともに準備はできている。「自分が今、どれぐらいの選手なのかが分かると思うし、チャレンジャーとして思い切り勝負したい。これからのラグビー人生や代表、リーグワン、そしてW杯につなげていきたい」。日本にとって過去6戦全敗の相手でも、大型WTBに気後れはない。本気で勝ちにいく。

 ◇シオサイア・フィフィタ 1998年12月20日生まれ、トンガ出身の23歳。15歳で来日して日本航空石川高に入学。天理大では4年時に大学日本一を経験。21年に近鉄(現花園)に加入。21年6月の全英・アイルランド代表「ライオンズ」戦で日本代表初キャップを獲得し、現在キャップ9。ポジションはCTB、WTB。1メートル87、105キロ。独身。

 ≪6万枚超チケット完売≫日本ラグビー協会は26日、日本代表とニュージーランド代表のテストマッチのチケットが完売したと発表した。6万5000枚以上を販売しており、4年ぶりの対戦は大観衆の熱気に包まれそうだ。来場者の実数発表を始めた04年以降、19年W杯を除く国内代表戦の最多観客数は5万7011人。今年7月9日のフランス戦で作られた記録を早くも更新する見通しとなり、近くの東京・秩父宮ラグビー場でパブリックビューイングを入場無料で開催することも決まった。改築後の国立で最多となった7月のサッカー、川崎F―パリSGの6万4922人を超える可能性もある。

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