池江 涙の2冠締め「みんなの顔を思い浮かべながら泳いだ」学生最後の個人種目で達成

[ 2022年9月1日 04:00 ]

競泳 日本学生選手権最終日 ( 2022年8月31日    東京辰巳国際水泳場 )

女子100メートル自由形決勝で優勝し喜ぶ池江(撮影・小海途 良幹)
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 日大の女子主将として最後の学生大会最終日に臨んだ池江璃花子(4年)は、100メートル自由形を制し、50メートル自由形に続く個人種目2冠を達成した。ラストレースとなった800メートルリレーでも第3泳者として3位表彰台に貢献。入学直前の19年2月に白血病を発症。闘病生活、リハビリ、そして奇跡的な復活と共にあった水泳部員の4年間を締めくくった。学校対抗では男子が日大、女子は中京大が優勝した。

 さまざまな思いが去来したのだろう。個人2冠を達成した直後の池江は順位を確認すると笑い、レースを振り返る中で声を震わせた。「日大で出る最後の個人種目。どうしても優勝したかった。最後タッチまで、みんなの顔を思い浮かべながら泳いだ」。2位とわずか0秒09差の接戦で、仲間たちが背中を押してくれたと感謝した。

 復帰後、「1日4レースは初めて」と本人が語るラストの800メートルリレーは、5番手から1分58秒台の力泳で順位を1つ上げてアンカーにつないだ。「メダルを獲れると思っていなかった」と上位校との力差を認めながら、「チームメートに恩返しできた」と感謝の思いを泳ぎに込めた。

 大会1カ月前に左足首を捻挫。直後1週間は休養し、「今後を考えれば無理しなくていいと思った。(出場を)悩んだくらい」と一時気持ちは揺らいだが、再びプールに向かわせたのは仲間がいたからだ。「後輩たちにも背中を見せられたかな」と池江。泳ぎと生きざまで名門に大きな足跡を残し、次のステージへ向かう。

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2022年9月1日のニュース