飛び込み元日本代表・馬淵優佳 17年以来の現役復帰表明、夫・瀬戸大也も後押し 最終目標はパリ五輪

[ 2022年1月6日 05:35 ]

練習中に笑顔を見せる馬淵(撮影・木村 揚輔)
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 17年8月のユニバーシアードを最後にプールを離れていた飛び込み元日本代表の馬淵優佳(26)が5日までにスポニチ本紙の取材に応じ、現役復帰を表明した。板飛び込みでの24年パリ五輪出場を目標に掲げ、昨年10月から本格的な練習を再開。決断に至った理由や現在のトレーニング状況、今後の青写真などを明かした。

 水面に何度も打ちつけられた体はあざだらけ。昨年10月から練習を再開した馬淵は「下手な証拠です」と苦笑いを浮かべた。昨年12月には石川県で開催された中田周三杯に出場し、4位入賞。大目標として24年パリ五輪出場を視野に入れつつ「まずは世界で戦える種目構成にするため(1度目の)現役時代よりも難易率を上げないといけない。それができたら来年の日本選手権や24年の代表選考会が見えてくる」と目前の課題を一歩ずつクリアしていく姿勢を示した。

 17年8月のユニバーシアードを最後に現役を引退。東京五輪を前に、1児の母である陸上女子100メートル障害東京五輪代表の寺田明日香(31=ジャパンクリエイト)らトップアスリートから話を聞く機会があり「限界を決めずにやる姿勢が格好良かった。自分にはやり残したことがある」と現役復帰の思いを強くした。

 現在は都内近郊の自宅と練習拠点の栃木県を行き来する生活。家を留守にする間は1歳と3歳の娘は両親に面倒を見てもらっている。夫の競泳男子の瀬戸大也(27=TEAM DAIYA)は世界を転戦しており、家族皆で過ごせる時間は短いが、毎日LINEでグループ通話してコミュニケーションをとっている。現役復帰を瀬戸に相談した際には「いいんじゃない」と理解を示され「夫も挑戦するのが好きなので私の挑戦も後押ししてくれています」と語った。

 競技を離れていた間にはバラエティー番組出演や女優業も経験。その道を極める俳優や芸人の凄さを肌で感じたことも刺激になった。今後はアスリートとしての活動に専念する方針で「世の中には何かをやりたいと思っても、環境が整わなかったり、周りの目が気になったりして、一歩を踏み出せない方がたくさんいるはず。人生一度きり。自分の飛んでいる姿で一人でも多くの方に何か感じてもらえればうれしい。今は競技が楽しい」と充実の日々を送っている。

 《瀬戸はプロ転向、世界で活動》馬淵の夫・瀬戸は競泳男子で2大会連続五輪出場。16年リオは400メートル個人メドレーで銅メダル獲得も、昨夏の東京はメダルなし。昨年10月に肖像権を自身で管理するプロ選手に転向。24年パリ五輪を目指して練習に励んでおり、昨年は米国でトレーニングを積むなど世界を転々としている。昨年12月にUAEで開催された世界短水路選手権では200、400メートルの個人メドレー2冠を達成した。

 【馬淵 優佳(まぶち・ゆか)】

 ☆生まれ 1995年(平7)2月5日、兵庫県出身の26歳。父崇英氏は中国出身で飛び込み日本代表コーチを務める。身長1メートル66、血液型A。

 ☆競技歴 3歳で水泳、6歳で飛び込みを始める。甲子園学院高―立命大。08年日本選手権で板飛び込みとシンクロ高飛び込み2冠。09年東アジア大会で銅メダルを獲得した。11年世界選手権出場。17年11月に引退を表明した。

 ☆結婚 17年5月に16年リオ五輪競泳男子400メートル個人メドレー銅メダルの瀬戸大也と結婚。18年6月に第1子、20年3月に第2子を出産。夫を支えるため、アスリートフードマイスターの資格取得。

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