英雄ジョコビッチの全豪OP“出場危機”救う!セルビア大統領が入国拒否の豪州に激怒「正義のために戦う」

[ 2022年1月6日 17:18 ]

昨年、テニスの全豪オープンを制し、大会3連覇を飾ったジョコビッチ(AP)
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 オーストラリア当局は、テニス全豪オープンに出場するために5日深夜にメルボルンに到着したセルビアのノバク・ジョコビッチ(34)の入国を拒否。歴代1位タイのグランドスラム優勝20回を誇るテニス界スターの“緊急事態”に母国セルビアのアレクサンダル・ブチッチ大統領(51)が激怒。自身の公式インスタグラムで「セルビアは正義と真実のために戦う」とオーストラリア政府へ抗議する意思を示した。

 ジョコビッチは男子テニスで世界ランキング1位。今回の全豪オープンは、4連覇と4大大会歴代単独最多となる21勝目が懸かかる大事な大会。メルボルン入りに先立ち、全豪オープンを運営するビクトリア州政府からは接種免除を許可され無事入国する予定だった。

 しかし、オーストラリア当局はジョコビッチが新型コロナウイルスワクチンの接種免除に必要な証明を示すことができなかったとし一転して入国を拒否。連邦政府が州政府の決定を覆した形となり、現地メディアでは「ジョコビッチの査証(ビザ)は取り消された」と報道された。

 このままでは全豪オープンに出場不可能となる事態にブチッチ大統領が動いた。6日までに自身の公式インスタグラムを更新し「ノバク・ジョコビッチとの電話での会話を終えたところです。 私はセルビア全体が彼と一緒にいること、そして私たちの当局は可能な限り短い期間で世界最高のテニスプレーヤーへの“嫌がらせ”を止めるためにあらゆる措置を講じていることを私たちのノバクに話しました。国際公法のすべての規範に従って、セルビアは正義と真実のためにノバク・ジョコビッチのために戦うでしょう」と母国の英雄へのサポートを約束した。

 スペイン紙アス(電子版)によると既にオーストラリアのベオグラード大使であるダニエル・エメリー氏を召喚して説明を求めたもよう。ビザを取り消されたジョコビッチは約9時間、夜通しオーストラリアの国境警備隊員から尋問と取り調べを受けた後、メルボルン市内のホテルへ移動し“隔離”状態に。同紙によるとこのホテルは「2020年のパンデミック時にも検疫用ホテルとして利用されていた」という。

 一方、セルビア政府の動きに対し、オーストラリアのモリソン首相も自身のツイッターを更新。「ルールはルール、特に国境に関しては。誰もこのルールを超えることは許されない。オーストラリアがコロナによる死亡率が世界で最も低い国の一つであることは、我々の強力な国境政策のおかげであり、我々は引き続き警戒を続ける」と反論。ジョコビッチへの対応を巡り“徹底抗戦”する構えであることを示した。

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