パラ競泳・富田宇宙が男子400メートル自由形で銀メダル!初の大舞台で自己ベスト

[ 2021年8月26日 18:08 ]

東京パラリンピック第3日・競泳 ( 2021年8月26日    東京アクアティクスセンター )

<パラリンピック競泳 男子400メートル自由形決勝(視覚障がいS11)>銀メダルを獲得するも、悔しげな表情を見せる富田(左は金メダルのドルスマン)(撮影・坂田 高浩)
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 男子400メートル自由形(視覚障がいS11)決勝で、パラリンピック初出場の富田宇宙(32=日体大大学院)が4分31秒69の自己ベストをマークし、銀メダルに輝いた。

 19年世界選手権で2位となった最も得意な種目。この日午前の予選1組では序盤から自己ベストを上回るペースで泳いだが、決勝を見据えて終盤は力を残して組1着の4分35秒77でフィニッシュ。全体2位で決勝に駒を進め、「調子は良い。予選は楽にと思ったけど、思った以上にスピードが出ていたので決勝も追い込んで良いタイムが出せると思います」と語っていた。

 進行性の病気で視力が衰え、3歳で始めた競泳は高校時代で一区切り。「宇宙のように広い心を持つように」という両親の願いで命名され、名前通りに目指した宇宙飛行士の夢も諦めた。しかし、就職後に取り組み始めた視覚障がい水泳で徐々に力を付け、出場を逃した16年リオデジャネイロ・パラリンピック後にクラス分けが変更されてトップの仲間入り。19年世界選手権では400メートル自由形(視覚障がい11)と100メートルバタフライ(同)で銀メダルを獲得した。

 24日の開会式ではパラカヌーの瀬立モニカら国内外の6選手とパラリンピック旗のベアラーを務めた。「僕も目が見えなくて介助が必要なところを、ああやって旗を通じて他のアスリート達と協力することで、介助なしで歩けるんだよってメッセージを込めて歩かせてもらった」と話していた富田。新型コロナ禍で延期となり、1年待った念願の大舞台で輝くメダルを手にした。

 ◇富田 宇宙(とみた・うちゅう)1989年(平元)2月28日生まれ、熊本県出身の32歳。済々黌高2年時に進行性の網膜色素変性症と診断され、現在は全盲。日大では競技ダンス部に所属し、全日本学生選抜選手権にも出場。就職後に23歳から視覚障がい競泳に取り組み、パラリンピックはリオ大会に続く2度目の挑戦で初出場。1メートル68、62キロ。

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