パラ馬術の宮路満英は7位 妻との二人三脚でリオ五輪最下位からのリベンジ

[ 2021年8月26日 18:26 ]

<個人 生涯2決勝> 馬場馬術で演技する宮路とチャーマンダー(撮影・光山 貴大)
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 馬術の個人規定(障害2)が26日、東京・馬事公苑で行われ、リオデジャネイロ大会代表で元JRA調教助手の宮路満英(63=セールスフォースドットコム)が7位に入った。宮路はリオ大会最下位の雪辱を果たし「リオより大分良くなりました」と笑顔を見せた。

 05年に脳卒中で倒れ、右半身にまひを負った。当初は二度と馬に乗れないと思っていたが、ひょんなきっかけからリハビリのために馬に乗り始めると体が乗り方を覚えていた。「久しぶりに気持ち良かった」と復帰への自信がみなぎった。

 リオ大会では11人中11位と苦杯をなめた。そのときの経験から体幹の必要性を感じ、地道なトレーニングを積んできた。以前は早足で体が前後にぶれていたが、宮路は「姿勢を見てもらえば分かるが、真っすぐになった」と成果を強調する。

 高次脳機能障害で経路を覚えることが困難だが、妻の裕美子さんがコマンダーとしてサポートする。コロナ下で続けていた体幹トレーニングは裕美子さんがメニューを組み、1日約2時間を費やすなどまさに二人三脚で東京大会へ鍛えてきた。去年8月に落馬で骨折したが、急ピッチで復活できたのも体幹のおかげだったという。

 リオでも東京でも、常に寄り添ってくれた妻への感謝は尽きない。脳卒中で倒れてから4週間後、目を覚ますとそこに裕美子さんがいた。宮路が発した最初の言葉は「あんた誰や」だった。その話はいまでは笑い草だが、宮路にとって裕美子さんはなくてはならない存在になっている。

 この日はお互いに緊張していたといい、取材エリアでは裕美子さんが2度指示を間違ったことにツッコミを入れる一幕も。東京で引退するつもりはなく、来年の世界選手権も視野に入れている。宮路は「馬にはおおきにと言いました。(妻への)感謝の言葉は、まだとっておきます」と話していた。

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