パワーL56歳の三浦浩は入賞逃すも「誇りを持ちたい」 長渕剛や大黒摩季ら支えた元裏方

[ 2021年8月26日 12:39 ]

東京パラリンピック第3日 パワーリフティング ( 2021年8月26日    東京国際フォーラム )

男子49キロ級 127キロに成功し、ガッツポーズする三浦浩=東京国際フォーラム(共同)
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 男子49キロ級決勝が行われ、56歳の三浦浩(東京ビッグサイト)は127キロの9位で入賞を逃した。1本目で122キロを持ち上げ、2本目で125キロを失敗したが、最終3本目で127キロに成功。「入賞を逃したけど、できる限りの力は出せた」と振り返った。

 晴れ舞台にトップバッターで登場した。洋楽が流れ、カラフルな照明で彩られた東京国際フォーラム。三浦は右手でサムアップポーズを決めてから試技を行い、16年リオ大会での記録を1キロ上回った。「超えられたことには誇りを持ちたい」。充実した表情をのぞかせた。

 ここは、三浦にとってのホームステージだ。元々はライブスタッフとして働き、約25年もの間、長渕剛や大黒摩季らの舞台を支えていた。しかし、02年にステージ上の事故によって脊髄損傷に。そこから2年後にこの競技と出会った。もちろん、東京国際フォーラムは何度も裏方として訪れた。「いつものコンサート会場に来ている感じだった」。でも、この日は裏方ではない。主役としてステージに立った。「照れくさかった」と笑いつつ、最後はステージ上で「ありがとう!」。アーティストのように、叫んだ感謝の言葉が無観客の会場に響き渡った。

 3大会連続の夢舞台を終えたが、まだまだ挑戦は終わらない。「28年ロサンゼルスパラリンピックまでは、現役を続けると言っている。若い選手に負けないように努力したい」。衰えを知らない56歳は、再び前に歩み始めた。

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