全豪OPいざ決勝!大坂は「頭一つ抜けている」ロンドン五輪代表監督が展望

[ 2021年2月20日 11:00 ]

テニス 全豪オープン ( オーストラリア・メルボルンパーク )

全豪オープン女子シングルス決勝で対戦する大坂(左)とブレイディ
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 女子シングルスで2年ぶり2度目の優勝を目指す第3シード大坂なおみ(23=日清食品)は20日午後7時半(日本時間同5時半)からの決勝で世界ランキング24位のジェニファー・ブレイディ(25=米国)と対戦する。4大大会4勝目が懸かる大一番の展望を、12年ロンドン五輪代表監督の村上武資氏(55)が解説した。男子シングルス準決勝は第4シードのダニル・メドベージェフ(25=ロシア)が第5シードのステファノス・チチパス(22=ギリシャ)に6―4、6―2、7―5で勝利。21日の決勝で3年連続9度目の優勝を目指すノバク・ジョコビッチ(33=セルビア)と顔を合わせる。

 大坂選手にとってブレイディは戦いにくい相手ではない。ミスが少なく、強打もあるが、前にポジションをとってどんどん押してくるタイプではない。今まで通りクロスにしっかりボールを打ち、我慢強く戦えばストローク戦を制することはできる。今大会はラリーでオープンコートをつくれており、コーナーぎりぎりを狙わなくてもウイナー(相手のラケットにボールが触れないショット)が取れている。コートの大きく内側に落ちるボールがウイナーになっているかどうかが、好調のバロメーターになる。

 大坂選手は準決勝の第1サーブ成功率が45%と低かったが、気にする必要はない。気にして焦ると、打つタイミングが早くなったり、トスが乱れたりして余計に入らなくなる。スピンの利いた第2サーブでも十分に戦えているので、確率が悪くても慌てないことが重要。先にブレークしてリラックスした状態をつくれれば、サーブの確率は自然と上がってくる。注意しないといけないのは序盤。相手は失うものがないので、ドロップショットやスライスを使ってかき回してくる可能性がある。冷静さを失わなければ、十分に対応できるので自ら乱れることだけが怖い。

 大坂さんのスピードは女子では異質で、ついて来られる選手はそうはいない。今大会のサーフェスが(前回ブレイディと対戦した)昨年の全米オープンに比べて球足が速いことも有利に働くだろう。準決勝までの戦いを見ると頭一つ抜けている印象で、年間グランドスラムも達成できるのではないかというぐらいの強さ。しっかりと自分のテニスをやれば、全米での対戦のようにフルセットにもつれるようなこともないとみている。(12年ロンドン五輪代表監督)

 《土橋強化本部長も進化絶賛》日本テニス協会の土橋登志久強化本部長(54)がオンライン取材に応じ、大坂を絶賛した。優勝した昨夏の全米オープン後も進化していると強調。「筋肉量が増えて安定感が増した。体と心のバランスも整っている。体幹を徹底的に鍛えたことで四肢が柔らかく使えている。アスリートとして理想的」と舌を巻いた。東京五輪は新型コロナの影響で厳しい行動制限が予想されるが「大坂は対応できるはず。東京五輪で十分(金メダルの)チャンスがある」と語った。

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