組手女子の植草 練習拠点にコロナ余波「練習できない しんどいな」

[ 2020年3月4日 05:30 ]

笑顔で突きを披露する東京五輪出場を決めた女子50キロ級の宮原美穂(左)と女子61キロ超級の植草歩(撮影・木村 揚輔)
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 空手の東京五輪代表に内定した組手女子68キロ超級(五輪は61キロ超級)の植草歩(27=JAL)が3日、プレミアリーグ(PL)ザルツブルク大会を終えて羽田空港に帰国。大会自体は4回戦敗退で「ホッとしたが、何とも言えない気持ちでした」と話しながらも安どの笑みを浮かべた。

 今大会でPLでは3大会連続メダルなしに終わった植草。五輪本番で金メダル獲得へ、巻き返す時間は十分だが、悩ましいのが新型コロナウイルスの影響だ。

 母校の帝京大、担当コーチの崎山幸一氏が監督を務める高松中央高、全国屈指の強豪である大阪・浪速高の3カ所を練習拠点にするが、現在2つの高校は活動停止状態。「どこの高校でも練習できない。しんどいなと思う」と頭を抱えた。

 世界トップレベルのスピードや強度に慣れるためにも、男子高校生との稽古は必須。しばらくは帝京大で練習を行う予定だが、晴れて3拠点活動を再開できるか。「人生を懸けて自分を追い込み、五輪で優勝したい」との思いをかなえるためにも、まずは一日も早い終息を祈っている。

 ◆植草 歩(うえくさ・あゆみ)1992年(平4)7月25日生まれ、千葉県八街市出身の27歳。小3で空手を始める。柏日体高(現日体大柏)―帝京大―高栄警備保障―JAL。13年ワールドゲームズ、16年世界選手権、18年アジア大会優勝。得意技は中段突き。家族は両親と姉。1メートル68、70キロ。

 ≪組手女子50キロ級の宮原 Vに「ホッ」≫優勝で五輪代表を決めた組手女子50キロ級(五輪は55キロ級)の宮原美穂(23=帝京大職)は「優勝で決められてホッとした」と語った。今後は上の階級(55キロ級)の選手への対策が必須となる。実際に55キロ級で大会出場して慣らす案は否定したが、「スピードには自信があるが、リーチの差はある」と課題を挙げ、対策する考えを示した。

 ≪代表争う4選手 モロッコに直行≫新型コロナの影響で、東京五輪代表が決まっていない組手男子67キロ級、同女子61キロ級を争う4選手は帰国せず、最終選考会となるPLラバト大会(13~15日)が開催されるモロッコへと直接移動した。同国では感染が広がる一部の国からの入国を制限する動きがあるといい、日本代表の林晃監督とともに当初の予定を変更。大会後17日に帰国する。
 

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2020年3月4日のニュース