柏原、大会史上最大6差逆転V 23歳大器実りの秋 苦節6年涙の初優勝からわずか28日

[ 2019年10月28日 05:30 ]

女子ゴルフツアーNOBUTA GROUP マスターズGCレディース最終日 ( 2019年10月27日    兵庫県 マスターズGC=6510ヤード、パー72 )

優勝カップを手に笑顔の柏原(撮影・平嶋 理子)
Photo By スポニチ

 4位から出た柏原明日架(23=富士通)がボギーなしの6バーディー、66をマーク、通算14アンダーの274でツアー2勝目を挙げた。9月に苦節6年でツアー初優勝し、素質が開花。賞金ランク上位がそろうビッグトーナメントで、09年・申ジエの5差を超える大会史上最大となる6打差を逆転した。賞金ランクも9位に上昇。地元で行われる最終戦のツアー選手権リコー杯(11月28日開幕、宮崎CC)で初メジャー制覇に挑む。

 涙の初Vからわずか28日。柏原は優勝者にだけ味わえる特別な世界に再びたどり着いた。「優勝してから苦しい時期もあったからこそ、前回より物凄くいい景色だった」。初優勝までには6年かかった。その呪縛から解き放たれると周囲の期待も高まり、欲も出た。予選落ちも経験し、ホステスプロとして臨んだ先週の富士通レディースは23位。精神的にも不安定になる中で、大きな勝利を手にした。

 首位のテレサ・ルーを6打差追ってスタート。最初の4ホールで3つ伸ばして、先行集団に迫る。パー5の15番でリーダーボードを見ると首位のイ・ボミと1差に迫っていた。「2打差と思っていたので少し気が楽になった」。この日一番のティーショットでピンまで残り200ヤードにつけると、7Wの第2打でピン左横に10メートルに乗せる。2パットのバーディーで首位に並ぶと、17番では2メートルを沈めて単独首位に立ち、逃げ切った。フェアウエーキープ率こそ4日間で最低の50%だったが、抜群のリカバリーで何度も危機を脱出。パット数24とグリーン上でもさえを見せた。

 大会前、コーチでもある父・武道さんと優勝後初めて再会。23日の練習でハーフをラウンドしたが父は厳しかった。優勝を報告したのに無反応。「逆に見返してやろうと思いました。今思えば、愛情の裏返しかもしれませんが」と感謝の思いを口にする。

 優勝賞金3600万円を加え、ランキングでも9位に浮上。目標の一つにしている地元開催の最終戦、ツアー選手権リコー杯での初メジャー制覇に弾みをつけた。ジュニア時代には世界を制した大器がついに本格化。「トップ選手が集まる大会で、私自身も勝ちたいと思っていた。いい景色をもっと味わいたいと思う」と語る表情はどこまでも自信に満ちあふれていた。

 【勝者のクラブ】▼1W=キャロウェイ・エピックフラッシュ サブゼロ(ロフト角10・5度、シャフトの長さ45・75インチ、硬さS)▼4、7、9、11W=キャロウェイ・ローグ(17、21、23、25度)▼6I~PW=キャロウェイ・エイペックス▼ウエッジ=キャロウェイ・マックダディー フォージド(48、52、56度)▼パター=オデッセイ・オーワークス 2ボール(マレット型)▼ボール=キャロウェイ・クロムソフトX

 ◇柏原 明日架(かしわばら・あすか)1996年(平8)1月30日生まれ、宮崎県宮崎市出身の23歳。父の勧めで7歳からゴルフを始める。中学3年でスポニチ主催の全国中学校選手権春季大会で優勝。14歳で出場した日本女子アマ2位など注目を集めた。14年にプロテスト合格(86期生)。15年には3度のトップ10入りで賞金ランク50位で初のシードを獲得。今年9月のミヤギテレビ杯ダンロップ女子でツアー初優勝。1メートル71、63キロ。家族は両親と弟。趣味は写真。

続きを表示

この記事のフォト

2019年10月28日のニュース