サッカー元日本代表・巻氏「世界観変える空間の駆け引き」 地元熊本開催・女子ハンド世界選手権で熱弁
元日本代表アスリートに聞くの巻――。「女子ハンドボール世界選手権」は11月30日から熊本県内3市5会場で行われる。開幕まで75日と迫り、地元開催を待ちわびるのが熊本県出身のサッカー元日本代表FW巻誠一郎氏(39)だ。妹の加理奈さん(37)は元ハンドボール女子日本代表で、今回は大会特別サポーターに任命された。女子ハンドボールに精通している巻氏が、世界が注目する大会の魅力を語った。
――今年1月15日に現役引退を発表し、16年間の選手生活を終えた。約8カ月が経過した現在は、どのような活動をしているのか。
「いろんなことをやっています。何でも屋、自由人?(笑い)ですかね。社会性プラス(自分が)やりたいことのバランスを見ながらやっています。12期目になるサッカースクールのイベント企画や運営、サッカー教室や講演、障がいのある方の就労支援会社、取締役をしている放課後デイサービス事業、大学での血液やタンパク質の研究やトマトの作つけなどの農業…。熊本と東京を半々、行ったり来たりしています」
――忙しく駆け回る中、3月15日に県庁で蒲島郁夫知事から今大会の特別サポーターの任命を受けた。開幕を前に今の気持ちは。
「世界が熱狂する祭典が熊本である。楽しみです。実は1997年の男子の世界選手権を高校(大津高)で見に行ったんです。日本代表戦を1試合見てあの雰囲気、世界を相手に戦う空気感を感じました。盛り上がりは今でも覚えてます」
――現役時代、試合を盛り上げるサポーターはどのような存在だったのか。
「凄い後押し、勇気になります。ホーム、アウェー、環境面でアドバンテージがあって相手にプレッシャーをかけられます。お客さんに反応があると選手は乗るんです。一喜一憂し、リアクションしてほしいですね」
――2006年W杯ドイツ大会など日本代表として38試合に出場した。日の丸を背負う、国を代表するとはどのようなものなのか。
「期待、圧力、責任など、相手以外とも戦わないといけない。それが宿命。覚悟がないと戦えない。選手はプレーすることで見える世界が変わると思う。貴重な経験ができると思います」
――妹の加理奈さんも熊本の実業団チーム・オムロンでプレーし、08年11月のバンコクでのアジア選手権の日本代表としても活躍した。観戦に行ったことはあるのか。
「妹がオムロンに入社してから見に行くようになりました。正直、衝撃的でした。スマートな試合と思っていたがボディーコンタクトが凄い。“何や、これ?”と。サッカーよりもフィジカルコンタクトが多く、格闘技に近かったので面白いなと。妹の試合は時間の許す限り、見に行っていましたよ」
――特にどこが面白いのか。どういう視点で見ているのか。
「ハンドボールは見えない空間の駆け引きが凄く多いスポーツだと思います。女子は、フィジカルで男子や海外選手に劣る分“力よりも工夫”なんです。攻守の切り替えの速さや、空間のポジション争いなどゲーム中に工夫をする感覚。ここがアスリート目線で面白いんですよね」
――父は元球児で長男の巻さんと次男はサッカー選手で、長女はハンドボール選手。巻家は球技一家と聞く。球技の魅力とは何?
「球を扱う=自分の思い通りにならない。そこがベースですね。ミスが起きて当たり前。うまくいかないのが球技ですね。そのミスをチームで減らす努力、カバーをする。ミスをどれだけ減らすか、ですかね」
――最後に大会特別サポーターとしてメッセージを。
「本当に価値のある、素晴らしい大会。身近で見られない素晴らしい機会。足を運んで見て、わくわくを味わって感じてもらえたらなと。自らのスポーツに対する感覚、世界観が変わると思います」
≪理事長務めるNPO法人で熊本地震の復興支援≫○…巻氏は、自身が理事長を務めるNPO法人「ユアアクション」で復興支援を行っている。J2熊本在籍時の16年4月に起きた熊本地震で自らも被災。車中生活をしながら救援物資を配布、子供たちとのサッカー教室を開くなど先頭に立ってきた。現在でも有名アスリートとともに復興募金や寄付を募っている。「地震で子供たちが夢を諦める、追わなくなっている中で、夢の追いかけ方のサポートのきっかけになっていけたら」。地元熊本県のために汗を流している。
≪「利き足は頭」≫◆巻 誠一郎(まき・せいいちろう)1980年(昭55)8月7日、熊本県生まれの39歳。大津高3年までアイスホッケー選手とサッカー部の“二刀流”。駒大サッカー部を経て、2003年に当時J1市原(現J2千葉)に加入。元日本代表監督のイビチャ・オシム氏に才能を見いだされた。東京V、熊本、ロシア・プレミアリーグのアムカルや中国リーグの深センでもプレー。05年に日本代表に初選出され、国際Aマッチ38試合出場8得点。06年W杯ドイツ大会ではブラジル戦に出場。J1通算207試合出場53得点、J2通算231試合出場16得点。「利き足は頭」と語り、1メートル84の長身を生かしたヘディングと豊富な運動量を誇った。
◇女子ハンドボール世界選手権 2年に1度の世界一決定戦。1957年に始まり、日本初開催となる今大会で24回目。2021年の次回はスペインで行われる。最多優勝はロシアの4回。前回のドイツ大会はフランスが制し、日本は16位。優勝国は東京五輪出場権と次回大会の出場権を得る。各地の大陸予選を勝ち上がった24カ国が出場。1次リーグは24チームが4組に分かれ総当たりで争う。各組の上位3チーム(計12チーム)が2次リーグに進出。2組で争われる2次リーグは各組上位2チームが準決勝に進出し、決勝は12月15日に行われる。
◇チケット情報 ☆申し込みの流れ (1)公式サイトにアクセス(2019女子ハンドでネット検索)(2)希望チケットを申し込む(3)申し込み完了メール到着(4)コンビニエンスストアで支払い(クレジットカード支払いは自動引き落とし) ☆会場 パークドーム熊本(メイン会場)、アクアドームくまもと、熊本県立総合体育館(熊本市)、山鹿市総合体育館、八代市総合体育館 ☆種類 1日券、会場パッケージ(1次リーグのみ対象)、ホスピタリティーチケット(パークドーム熊本のみ)、ハッピーアワーチケット(平日の全会場、土日の一部会場限定で販売。2試合目以降に入場可能で各会場のファンゾーンで使えるクーポン券付き) ☆問い合わせ先 チケットカスタマーセンター=(電)050(5433)1080
2019年9月17日のニュース
-
太田忍 東京五輪目指し67キロ級への階級変更を表明「もう60に用はない」
[ 2019年9月18日 02:11 ] レスリング
-
文田 2年ぶり世界選手権V グレコ日本勢で初の2度目制覇「気持ち良い」
[ 2019年9月18日 02:08 ] レスリング
-
十種競技・右代、世界選手権の代表内定取り消し 国際陸連が出場認めず
[ 2019年9月17日 22:17 ] 陸上
-
文田、2年ぶり世界王者 東京五輪へ「最高のスタート切れた」
[ 2019年9月17日 21:56 ] レスリング
-
22年北京冬季五輪、パラリンピックのマスコット発表 パンダと灯籠をイメージ
[ 2019年9月17日 21:33 ] 五輪
-
キーワードは「64」 日本代表スクラムの鍵はスパイクにあり
[ 2019年9月17日 20:51 ] ラグビー
-
井筒親方急逝受け、実弟・錣山親方の弟子が奮闘「みんな井筒のためにいい相撲を見せてくれた」
[ 2019年9月17日 20:17 ] 相撲
-
レスリング女子53キロ向田真優 “ポスト吉田沙保里”が初の五輪切符!
[ 2019年9月17日 20:08 ] レスリング
-
愛弟子・隠岐の海が連敗 八角理事長「プレッシャー?いやいや。力、力」
[ 2019年9月17日 20:07 ] 相撲
-
大関復帰を目指す貴景勝勝ち越し 八角理事長「稽古総見の時は大丈夫かなと…」予想優勝ラインは3敗
[ 2019年9月17日 19:51 ] 相撲
-
MGC3位の大迫傑「目立つし好き」 一目ぼれだったナイキ“ピンクシューズ”
[ 2019年9月17日 19:26 ] マラソン
-
明生、隠岐の海が黒星 御嶽海、貴景勝、朝乃山と2敗5人が優勝争いトップに
[ 2019年9月17日 18:02 ] 相撲
-
馬場雄大 NBAマブスとの契約内定、傘下Gリーグのレジェンズでプレーへ「日本人魂見せたい」
[ 2019年9月17日 16:57 ] バスケット
-
元寺尾・錣山親方、実兄・井筒親方を悼む「いい相撲人生だった」気丈にテレビ中継解説
[ 2019年9月17日 16:00 ] 相撲
-
大鵬の孫・納谷 2連敗から3連勝で勝ち越し王手「あと2番勝つつもりで」
[ 2019年9月17日 15:09 ] 相撲
-
山県、復帰戦100メートル欠場 実業団対抗は200メートルのみ
[ 2019年9月17日 14:29 ] 陸上
-
鶴大輝、涙の白星 師匠・井筒親方にささげるもろ差し「今日ぐらいは褒めてくれるかも」
[ 2019年9月17日 13:30 ] 相撲
-
井筒親方急逝 協会も突然の訃報に驚き 鶴竜らは鏡山部屋が一時預かり
[ 2019年9月17日 13:06 ] 相撲
-
ブラウンズが快勝 ジェッツはQB2人が相次いで離脱
[ 2019年9月17日 12:24 ] アメフト
-
ベテランQB2人が故障で離脱 ロスリスバーガーは今季絶望 ブリーズは全治6週間以上
[ 2019年9月17日 11:39 ] アメフト
-
錣山親方 実兄・井筒親方を悼む 病を知って1カ月たたず「本人は頑張った」
[ 2019年9月17日 10:48 ] 相撲
-
“ラグビー芸人”中川家・礼二、20日ロシア戦へ熱く語った!「男たちのタックルを見よ」
[ 2019年9月17日 09:00 ] ラグビー
-
【玉ノ井親方 視点】朝之山 価値ある逆転勝ちで賜杯争い有利
[ 2019年9月17日 08:16 ] 相撲
-
五輪代表内定の文田 絶妙な距離感で育てた父・敏郎氏
[ 2019年9月17日 06:30 ] レスリング
-
MGC優勝の中村、2位・服部 元日ニューイヤー駅伝で再戦だ!!マラソン代表五輪イヤー異例の幕開け
[ 2019年9月17日 06:30 ] マラソン
-
文田、レスリング五輪1号! 23歳男泣き「やっと…長かった」
[ 2019年9月17日 05:30 ] レスリング
-
グレコ97キロ級 敗復初戦敗退の奈良は五輪切符お預け
[ 2019年9月17日 05:30 ] レスリング
-
ラグビー日本 福岡、初戦出さない ジョセフHC「あえて使うリスク避けたい」
[ 2019年9月17日 05:30 ] ラグビー
-
ラグビー日本 38歳トンプソン、今季限り引退発表 4度目大舞台でまずは完全燃焼誓う
[ 2019年9月17日 05:30 ] ラグビー
-
FL主将リーチ・マイケル「一つだけ証明したい。僕たちが強いことを」
[ 2019年9月17日 05:30 ] ラグビー
-
A組・ロシア マトベエフ、VS日本に「この試合は命と同じくらい重要。勝つ準備できている」
[ 2019年9月17日 05:30 ] ラグビー
-
A組・アイルランド ヘンショーがチーム残留へ 22日のVSスコットランドは欠場濃厚
[ 2019年9月17日 05:30 ] ラグビー
-
D組・ウェールズ 公開練習にファン1万5000人 ジョーンズ主将「ありがとうございます」
[ 2019年9月17日 05:30 ] ラグビー
-
ラグビーW杯 売り子導入 11会場で1650人
[ 2019年9月17日 05:30 ] ラグビー
-
元関脇・逆鉾の井筒親方が死去、58歳 史上初の3兄弟関取「もろ差し名人」
[ 2019年9月17日 05:30 ] 相撲
-
明生 1敗でトップに並んだ! 24歳自己最速勝ち越し 平幕2人でV争い
[ 2019年9月17日 05:30 ] 相撲
-
朝乃山 ピンチも動じず2敗死守「優勝争い?何も考えてない」
[ 2019年9月17日 05:30 ] 相撲
-
御嶽海 友風に“教育”7勝目 再びトップと1差
[ 2019年9月17日 05:30 ] 相撲
-
嘉風、引退会見で「悔いしかない」 土俵断念の右膝負傷はイベントが原因
[ 2019年9月17日 05:30 ] 相撲
-
笑顔の27歳誕生日 MGC優勝の中村「自覚ある行動を」
[ 2019年9月17日 05:30 ] マラソン
-
MGC女子Vの前田、山口先輩の“金言”胸に刻む「自信になった」
[ 2019年9月17日 05:30 ] マラソン
-
MGC女子2位の鈴木、課題は給水前「給水で前に出ておくと有利だと思った」
[ 2019年9月17日 05:30 ] マラソン
-
MGCテレビ観戦で刺激 川内、中本流で「世陸入賞」地元久喜市で壮行会
[ 2019年9月17日 05:30 ] マラソン
-
"故郷"に「温かく迎えられ幸せ」大坂に「大阪大賞」市&府から表彰
[ 2019年9月17日 05:30 ] テニス
-
東京五輪、競泳代表の選考基準発表 日本選手権で一発選考 20年4月
[ 2019年9月17日 05:30 ] 水泳
-
璃花子、がん闘病番組見て励まされた「わたしもがんばろ」
[ 2019年9月17日 05:30 ] 水泳
-
競泳成年女子50メートル自由形 今井、大会新V
[ 2019年9月17日 05:30 ] 水泳
-
パラ競泳世界選手権 富田、銀2個 優勝タイムに4秒以上の差「危機感得られて、いい経験」
[ 2019年9月17日 05:30 ] 水泳
-
韓国に敗れて日本1勝2敗 真佑、チーム最多の17得点も黒星 バレー女子W杯
[ 2019年9月17日 05:30 ] バレーボール
-
皆川、フープで大きなミスなく9位発進 新体操世界選手権
[ 2019年9月17日 05:30 ] 新体操
-
サッカー元日本代表・巻氏「世界観変える空間の駆け引き」 地元熊本開催・女子ハンド世界選手権で熱弁
[ 2019年9月17日 05:30 ] ハンドボール
-
サッカー元日本代表・巻氏「ロシアは手足も長い」 地元熊本開催・女子ハンド世界選手権へ対戦国分析
[ 2019年9月17日 05:30 ] ハンドボール