元寺尾・錣山親方、実兄・井筒親方を悼む「いい相撲人生だった」気丈にテレビ中継解説

[ 2019年9月17日 16:00 ]

<大相撲秋場所10日目>テレビ解説を行う錣山親方(撮影・久冨木 修)
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 大相撲の井筒親方(元関脇・逆鉾)が58歳で急逝してから一夜明けた17日、実弟の錣山親方(元関脇・寺尾)がNHK大相撲中継に幕内向正面解説として出演した。

 幕内の取組が始まる前に戸部眞輔アナウンサーが訃報を伝えたのち、「錣山親方、大変な状況の中、出演いただきましてありがとうございます」と話し掛けると、錣山親方は「いえ、とんでもないです。本当に今まで井筒を応援してくださった方、そして今日たくさんのお悔やみの言葉をいただきまして、井筒は相撲界で育って去っていった。彼にとってはいい相撲人生だったと思います。ありがとうございました」とコメントした。

 父が先代井筒親方の元関脇・鶴ケ嶺で、3兄弟は角界入りしていずれも関取となった相撲一家。井筒親方が亡くなった前日は、3人兄弟の長男で元十両・鶴嶺山の福薗好政氏とともに都内の病院で故人と対面したという。「その時は心の中で3人でしゃべりました。井筒はほとんど意識がなかったのですが、『俺たちの自慢は親父とおふくろの間に生まれたことだよね』と伝えました。本当に頑張ったので、悔いはないというか褒めてあげたいと思います」と気丈に話した。

 「1歳違いの兄なので、子供の頃から喧嘩ばかりしていて、付き人の時もぐちゃぐちゃしてましたけど、最後は兄弟なんだなと思いました。相撲に関しては天才でした」と微笑みながら振り返った。

 錣山親方はこの日、午前8時からのチケットのもぎりを行った。業務を終えた後に取材に応じ、「俺らも(病気を)知ったのは1カ月もたっていないので。本人は頑張った。それを褒めてやるしかないです」と実兄の死を悼んだ。

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