逸ノ城 白鵬止めた!最強横綱から初金星「今場所一番の相撲」

[ 2019年7月16日 05:30 ]

大相撲名古屋場所9日目 ( 2019年7月16日    ドルフィンズアリーナ )

<大相撲名古屋場所9日目>逸ノ城(左)に寄り切りで敗れた白鵬(撮影・坂田 高浩)
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 前頭4枚目・逸ノ城が横綱・白鵬の連勝を8で止めた。左上手を取って得意の体勢に持ち込むと迷わず前に出て最強横綱から初めて金星を奪った。横綱・鶴竜は明生を冷静に寄り切り、9戦全勝で単独トップに立った。大関・高安は正代に突き落とされ、2敗目。勝ちっ放しの鶴竜を1敗で白鵬が追う展開となった。

 迷いはなかった。立ち合い胸から当たってきた白鵬の左上手を取った逸ノ城は右を固めて体を密着。右前まわしも引いて万全の形に持ち込むと、一気に前に出て土俵下に落とした。3日ぶりの勝利で金星を奪取。26歳は「本当に良かったです。今日みたいな前に出る相撲を取りたい。今場所で一番の相撲だった」と会心の相撲に目尻を下げた。今場所2日目から5連勝したが懸賞はなし。「一つもなかったのでショックでした」。モチベーションの低下か、そこから2連敗。東京から持ち込んだ金庫も空のままだった。支度部屋で今場所初めて懸賞(8本、24万円)を手にしたことを聞かれると飛びっきりの笑顔。後半戦に向けて「ためたいですね」と静かな男も燃えてきたようだ。

 出場も危ぶまれる状態だった。「100メートルも歩けなかった。体も真っすぐにできなかった」。場所前に慢性の腰痛が悪化し、3日間の二所ノ関一門連合稽古を休んで帰京。「針の長いやつ。痛いやつ。注射を打って良くなった。それからいい」。治療でコンディションは上向き、下がらず前に出る相撲が取れるようになるまで回復した。

 通算8個目で、白鵬からは初めての金星。「この2日間、下がってばかり。(相手は)横綱だし絶対に下がらないと思っていた」。胸を借りる気持ちによって「一つのこと」に集中できた。10日目は再び全勝の横綱・鶴竜戦。自信を取り戻した“モンゴルの怪物”が優勝争いを面白くさせる。

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