川井梨、世界選手権切符!東京五輪で獲るぞ初の姉妹金メダル

[ 2019年7月7日 05:30 ]

レスリング代表決定プレーオフ・女子57キロ級   川井梨3―3伊調 ※ビックポイント表 ( 2019年7月6日    埼玉県・和光市総合体育館 )

伊調(後方)を攻める川井(撮影・吉田 剛)
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 伊調が復帰を決めてから約1年。最後に笑ったのは川井梨だった。「思い描いていた作戦はできなかったけど、後輩とやってきた競った展開の練習が自然と出せた。勝てて良かったです」と安どの表情を浮かべた。

 試合中は「ほとんど記憶にない」ほど興奮していたが、勝負際は冷静だった。ラスト6秒、3―2とリードした中でタックルを受けた川井梨は、強くあらがわずに場外に押し出された。「2ポイントだったら負ける。でも1ポイントなら良いと分かっていた」。同点になってもビッグポイントで優位に立っていることを理解し、無理をしなかった。残り数秒でも勝負に徹した。

 リオ五輪は伊調を避けて63キロ級で挑戦。世界一になったが「時間がたっても悔しさは変わらなかった」と目を赤くした。昨年12月の全日本選手権で敗れた後は「本当にやめようと思った」ほど苦しんだ。その中で耳に届いたのが周囲の声援。全日本選抜も「緊張で気分が悪くなった」と追い詰められた中での勝利だったが、家族や社員、チームメートの喜ぶ姿に「私はこれが見たいんだ」と再確認した。

 この日セコンドについた妹の友香子(21)は女子62キロ級で一足先に代表を決めている。伊調姉妹も達成できなかった姉妹での五輪金メダルに大きく前進。「小さい頃に伊調姉妹を見ていて軽く代表に入っているイメージだったけど、こんなに大変なんだなって」と笑いつつ、「でも伊調姉妹と関係なく金を獲りたい」。その舞台は整った。

 【「一緒に世界へ」妹の声に奮起】62キロ級代表の友香子は第1ピリオド後のインターバルで姉に「一緒に世界選手権に行こう」と声を掛けた。全日本選手権で敗れた後の梨紗子は「本当にしんどそうだった」というが、年明けに本人から「やっぱり友香子と一緒に出たいからもう一度頑張る」と告げられたという。2人で手にした世界切符に「一発で(五輪を)決めて帰ってきたい」と意気込んだ。

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