堀江 亡き父への思い胸に実戦復帰「今できることをやる」

[ 2019年3月30日 05:30 ]

強化試合で攻め込む堀江(左、共同)
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 ニュージーランド遠征中のラグビーW杯日本代表候補「ウルフパック」は29日、ポリルアでスーパーラグビーのハリケーンズBと強化試合を行い、31―52で大敗した。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(49)が率いるチームとして4カ月ぶりの試合で課題が浮き彫りとなった一方で、右足舟状骨の骨折で実戦から遠ざかっていたフッカー堀江翔太(33=パナソニック)が約半年ぶりに復帰。9月のW杯へ向けて好材料となった。

 33歳のベテランが、絶望の淵からはい上がった。後半17分から投入された堀江は、FW陣の一員として密集で体を張った。スローフォワードを取られる場面もあり、チームも課題を出しての大敗。それでも、ドレッドヘアが目印の頼れる男は、確かな手応えを感じていた。

 「楽しかったです」。半年ぶりの復帰に実感がにじむ。昨年9月に右足首の舟状骨を疲労骨折し、同11月末に手術。厳しいリハビリを乗り越えた。今月21日には大腸がんで10年闘病生活を送った父・慎一さん(享年64)が亡くなった。生前、「W杯までは頑張りたい」と語り、自分のことを誇りに思ってくれた父の思いを胸に3度目の大舞台へ照準を定める。

 帝京大卒業後に武者修行したのがニュージーランド。亡き父に「おまえが決めたのなら行ってこい」と背中を押された。原点とも言える地で再スタートを切った。「焦っても試合が早まることはない。今できることをやっていきたい」。闘志を内に秘め、その一日に全力を注ぐ。

 

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2019年3月30日のニュース