貴ノ岩から暴行被害の貴大将 母が胸中代弁「望んでいない引退」

[ 2018年12月7日 06:30 ]

今年10月の巡業で貴大将を背負って下半身を強化する貴ノ岩
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 弟弟子で付け人の三段目・貴大将(23)に暴行をはたらいた貴ノ岩(28=千賀ノ浦部屋)の引退の意向を固めた6日、貴大将の母はスポニチ本紙の取材に応じ「(息子は)貴ノ岩関に辞めてほしいわけではない」と複雑な胸の内を代弁していた。元横綱・日馬富士の暴行事件から始まった“負の連鎖”。誰もが望まない最悪の終幕を迎えることになった。

 貴ノ岩の決断が明らかになる前、貴大将の母は息子の複雑な心境に思いを重ねながら、重い口を開いた。

 被害届の提出は「全く考えていない」とし、「殴ったのは良くないけど、貴ノ岩関が100%悪いことはない。殴られたのも理由がある。息子にも悪いところがあった」と振り返った。千賀ノ浦親方には迷惑をかけたとの思いから、親として「申し訳ございませんでした」と謝罪した。親方には「彼が悪いわけではないですよ」と言われたという。

 殴られた箇所については「周囲に“感覚がない”と言っていたそうです。私には何も言わず、痛みがあるのかも分からない。心配をかけないようにしているんだと…」。親として何もできない歯がゆさを吐露した。

 母によると、貴大将は「貴ノ岩が引退することは望んでいない。辞めてほしいわけではない」と話していたという。その息子に向けては「こんなことで負けてほしくない。相撲をしていると、やはりケガは当たり前。殴られてのケガはあまり良くないとは思うけど、それを乗り越える力があればいい」と強く願っていた。

 関係者によると、千賀ノ浦親方も貴ノ岩が現役を続行する道を模索していたという。元日馬富士による暴行事件の被害者だった貴ノ岩が加害者になったことでまた生み出された悲劇。周囲の「辞めてほしくない」との願いはもう届かないのだろうか。

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2018年12月7日のニュース