璃花子 100Mバタ日本新で主要国際大会初の金メダル「メチャメチャ楽しいです」

[ 2018年8月12日 05:30 ]

競泳パンパシフィック選手権第3日 ( 2018年8月11日    東京・辰巳国際水泳場 )

日本新記録で優勝しガッツポーズをする池江(撮影・小海途 良幹)
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 女子100メートルバタフライで、池江璃花子(18=ルネサンス)が56秒08の日本新記録で制し、主要国際大会初の金メダルを獲得した。自身の持つ日本記録を0秒15更新する、16年リオ五輪、17年世界選手権いずれも2位相当の好記録だった。200メートル自由形の銀に続いて今大会個人種目2つ目のメダルとなった。

 第4レーンの池江は果敢に攻めた。第3レーンは昨年の世界選手権2位のマキオン、第5レーンは同3位のダリアで、ともにスタートが速い。「離されないように意識した」。浮き上がり直後こそ先行を許したが、すぐに抜いた。50メートルは世界記録より0秒12速いペースだった。さすがにラスト10メートルでは失速したが、両隣のライバルを寄せつけなかった。世界歴代4位の56秒08。最も得意とする種目で一番輝くメダルを手に入れた。

 「凄くバテてこのまま抜かれたらどうしようと思ったけれど、1位で良かった。メチャメチャ楽しいです」

 ケガなどで練習に集中できず、準備不足で臨んだ昨年の世界選手権では自己ベストから大きく遅れる57秒08で6位。「実力不足です」と涙した。昨秋からは充実した練習を積み、記録更新を続ける。この日も午前の予選から56秒90の大会新。大会3日目、リレーを含めて8レース目で疲労がたまる中でもタフに泳ぎ続ける。この種目で今年4度目、計13度目の日本記録更新だった。

 5月から指導を受ける元五輪代表の三木二郎コーチは「今のところ泳ぎをいじる必要はない」とし、体づくりを重視する。ウエートトレーニングは週2回。幼い頃から自宅リビングにある雲梯(うんてい)で上半身を鍛えてきたが、今は懸垂を取り入れている。「最初は3回くらいだったけれど、今は10回2セットできる」。パワーアップがスピードの強化につながっている。

 シニアの国際大会の表彰台で初めて君が代を聴くと、涙があふれた。「こらえてたんですけど…。2年後の舞台でも君が代を聴きたい」。最大のライバルとなるのは55秒48の世界記録を持つ絶対王者サラ・ショーストロム(スウェーデン)。「ここで1番を獲れたことが自信になる。55秒台はすぐに出る。サラ選手に食らいついて、抜かせるように頑張っていきたい」。20年東京五輪の金メダルへ、打倒ショーストロムが明確な目標になった。

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