稀勢 大丈夫か…横審の稽古総見で不安の声「稽古不足」「あれじゃあ無理」夏場所出場に反対意見も

[ 2018年5月4日 05:30 ]

声援に応える(左から)稀勢の里、鶴竜、白鵬
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 横綱審議委員会(横審)による稽古総見が3日、東京・両国国技館の本土俵で一般に無料公開で行われ、6場所連続休場中の横綱・稀勢の里(31=田子ノ浦部屋)は三役以上の申し合いで3勝5敗と精彩を欠いた。夏場所(13日初日、両国国技館)に向けて調整している和製横綱だが、横審のメンバーらからは出場に反対する意見も飛び出した。

約5000人の観衆の前で、稀勢の里がもがいた。立ち合いの迫力を欠き、得意の右上手を引く形に持ち込めなかった。豪栄道に2勝したが、大関獲りの関脇・栃ノ心には2敗、横綱・鶴竜に1勝3敗。「いい稽古ができた」と上位陣との稽古をプラスに捉えながら、万全に程遠いことも自覚していた。「課題も見つかった。(踏み込みの感覚は)あと少しというところ。そこがつかめれば」と修正点を口にした。

 横審の北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は「出てくるんだと思う」と楽観的だったが、現状を不安視する声が多数を占めた。宮田亮平委員(文化庁長官)は「稽古不足。完璧で出てもらいたい」と出場に否定的。解説者の北の富士勝昭氏(元横綱)は「あれじゃあ無理。全然よくなっていない。腰も高いし。これで出たら、えらいことになる」と不安材料を並べた。

 次に出る場所に進退を懸けると明言している稀勢の里は「万全で出ることが務め。しっかり体をつくっていきたい」と話した。場所直前までに課題が克服できなければ、出場は危険な賭けになる。

 ○…関脇・栃ノ心が申し合い稽古で9連勝。小結・御嶽海ら幕内の8人を圧倒して一般公開で訪れた観客5000人をうならせた。三役以上の申し合いでは稀勢の里、鶴竜の2横綱を連破。鋭い出足から寄り切る充実の内容に「右肩が少し気になるけど、体の状態も良くなってきた」と納得顔だ。「強い気持ちで、強い体で臨めるように」。圧巻の強さで大関獲りがくっきりと見えてきた。

 ◯…白鵬は遠藤、御嶽海の両小結を指名し、17番取って16勝1敗。蹴返しや裾払いの足技に加えて、投げ技を繰り出して圧倒した。「次から次に動きを繰り返すことで相撲勘がついてくるし、足の裏の土俵勘も出てくる」。2場所連続で休場している中、復活に向けて汗を流し、「(番数は)12〜13番の感覚だった。そういう意味でいい稽古になった」と充実した表情だった。

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2018年5月4日のニュース