万全程遠く…稀勢の里 栃ノ心に2勝9敗 舞の海さんは「出場やめた方がいい」

[ 2018年5月4日 12:33 ]

栃ノ心(右)に寄り切られる稀勢の里
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 6場所連続休場中の横綱・稀勢の里(31=田子ノ浦部屋)が4日、東京都墨田区の春日野部屋へ出稽古し、大関獲りを狙う栃ノ心(30=春日野部屋)との三番稽古で2勝9敗と大きく負け越した。

 3日の横綱審議委員会による稽古総見で2敗を喫した栃ノ心と再び胸を合わせたものの、頭から当たっても押し込めず、得意の左四つから寄り切られる場面もあった。

 「今日は押すことだけを考えてやったが、なかなかはまってくれなかった。しっかりまた、いろいろやっていくしかない」。必死に前を向いた横綱だが、内容の悪さが気になるばかり。稽古相手を務めた栃ノ心について聞かれると「力を出し切れずに申し訳なかった」と謝った。

 稽古を見た解説者の舞の海秀平氏(50)は稀勢の里の状態を「厳しいですね」と捉えていた。「頭で当たって押し込んで、まわしを取らせないで勝負をつけようという内容だったと思うが、栃ノ心の上体を起こすくらいだったら良かったが、それがなかった。まわしを取られたら相撲にならない」と指摘した。

 稀勢の里は夏場所(13日初日、両国国技館)に向けて懸命な稽古を続けているが、万全には程遠い状態。舞の海氏は「(出場は)やめた方がいい。自分のためにも、お客さんのためにも、(権威を築いてきた)歴代の横綱のためにも」と話した。

 稀勢の里は前日の稽古総見と同様に、立ち合いの迫力を欠いた。出足について聞かれると「それが戻ってくれば、昔(番付を)上がってきた時のようになると思ってやったが、なかなか…」と首をひねった。連休明けの7、8日には二所ノ関一門の連合稽古が控えているが、「(出稽古を)やらなきゃダメだと思った」と話し、5日以降も他の部屋に足を運びたい意向だ。

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2018年5月4日のニュース