錦織 マスターズ大会初制覇逃す ナダルは今季初優勝

[ 2018年4月23日 05:30 ]

男子テニスマスターズ・モンテカルロ大会 ( 2018年4月22日    モナコ・モンテカルロ )

優勝を逃した錦織
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 シングルス決勝で世界ランキング36位の錦織圭(28=日清食品)は、世界1位のラファエル・ナダル(31=スペイン)に3―6、2―6で敗れ、マスターズ大会初制覇を逃した。準決勝では世界4位のアレクサンダー・ズベレフ(21=ドイツ)を破って勝ち上がったが、赤土に絶対の自信を持つ王者の壁は厚かった。ナダルは今季初優勝で、通算76勝目となった。

 ただでさえ残り少ないエネルギーが、ナダルの鋭いスピンで一打ごとに削り取られていくようだった。切迫、焦燥、疲労、敗色。試合が進むにつれ、錦織の表情が重たく移ろっていった。

 16年リオ五輪の3位決定戦以来の顔合わせで「彼はクレーのキング。アグレッシブにやりたい」と挑んだものの、第1セットの最初のサービスゲームからキープするのに10分以上費やした。第3ゲームで先にブレークはしたが、ナダルの圧力は強まる一方。第4ゲームでブレークバックを許すと4ゲームを立て続けに失った。

 3試合連続でフルセットを戦い抜き、決勝までに要した試合時間はナダルの倍。昨年8月に痛めた右手首に不安を抱えるだけでなく、前日の準決勝後には「正直、脚の方がきつかった」ともらすなど疲労困憊(こんぱい)だった。第2セットも第2ゲームから5ゲームを連取され、連続ブレークを許した第2セットの第5ゲームではラケットを足元に放り捨てた。肉体的にも精神的にも追い込まれ、4度目の挑戦でもマスターズ制覇に届かなかった。

 それでも収穫の方が多い大会ではあった。チリッチ(クロアチア)、A・ズベレフとトップ10を連破し、右手首故障からの復活を印象づけた。表彰式では「久々にマスターズ決勝に進めていい1週間だった」と穏やかに振り返り、「またラファにチャレンジできたらいい」とも語った。今週のバルセロナ・オープンでも順当にいけば3回戦でナダルと激突。高く分厚い壁は何度も叩き続けることでしか崩せない。

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2018年4月23日のニュース