【黒岩敏幸の目】美帆、いつもと違うパターンでの快勝は収穫

[ 2017年12月30日 07:30 ]

スピードスケート平昌五輪代表選考競技会第3日 ( 2017年12月29日    長野市・エムウエーブ )

女子1500メートル、優勝した高木美帆(右)と2位の小平奈緒
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 いつもは海外勢に先行する高木が、異なる展開にもしっかり対応した。スピードのある小平との同走で難しかったのは200〜300メートルでの交差。インスタートの高木は小平の走路を妨げてはいけない。遅れれば譲らなければいけないし、無理すれば失格のリスクもある。そこでカーブの出口からスピードを上げて、走路を譲ることなく滑ることができた。体力のロスの心配があったが、その後タイムを落とさなかった。五輪を前に異なるレースパターンで結果を出したことは収穫だ。

 今季は滑りが安定している。元々、上下動のある滑りで、以前はぴょんぴょん跳ね上がるイメージで、力が上に逃げていた。今季は体が沈み込んで、力が氷に伝わっている。カーブでも、後ろに流れやすい左足が、しっかり最後まで氷を捉えることができている。

 一方で、ラスト400メートルのラップは1秒6落ちた。高木の力なら1秒5以内に抑えられる。まだまだタイム向上の余地はある。(92年アルベールビル五輪男子500メートル銀メダリスト)

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2017年12月30日のニュース