宇野痛恨V逸 着氷乱れ動転 最後のコンビネーション“放棄”

[ 2017年12月9日 05:30 ]

フィギュアスケートGPファイナル男子フリー ( 2017年12月8日    名古屋市ガイシプラザ )

男子フリーで華麗なジャンプを見せる宇野昌磨
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 男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)2位の宇野昌磨(19=トヨタ自動車)はフリー1位の184・50点をマークしたものの、SP1位のネーサン・チェン(18=米国)に0・50点及ばず、2位に終わった。女子SPではGPファイナル2年連続2位の宮原知子(19=関大)が74・61点で3位、初出場の樋口新葉(16=東京・日本橋女学館高)が73・26点で5位だった。

 痛恨の勘違いだった。宇野が後半に組み込んだ2つ目の4回転トーループは、回転が足りずに着氷が乱れた。「3回転か4回転か、どう判定されるか分からなかった」。このミスで気が動転した。3回転以上のジャンプを2回跳べるのは2種類までという“跳び過ぎ違反”が脳裏をよぎり、最後に予定していた連続ジャンプは3回転トーループを外し、あえて単発の3回転サルコーに切り替えた。

 ところが、インタビュー中に気付いた。「そっか、そうじゃん!冷静に考えたら、もう一回跳んで良かったんじゃん」。ミスしたトーループは結果的に4回転の回転不足と認定された。だが、もし3回転と判定され、もう一度3回転トーループを跳んでも違反にはならなかった。チェンとの差は、わずか0・50点。結果的に3・3点の基礎点を捨てたことで、地元名古屋で初優勝の絶好のチャンスを逸した。

 「自分の頭が回らなかった。0・5点差で負けたというのは、そういう日だったんだと思う」

 前日のSPでは制限時間の超過による1点減点もあった。今大会の敗因は凡ミスだったが「期待に応えられなかったのは申し訳ないけれど、僕は満足している」と努めて明るく振る舞った。

 調子自体は上向いている。冒頭の4回転ループでは転倒したが、3戦ぶりに組み込んだ4回転サルコーは成功した。インフルエンザで十分な練習ができず、ジャンプが大崩れしたフランス杯から3週間で立て直した。「跳べるジャンプは入れていく。攻めるプログラムを見せたい」。今後もフリーで4種類5本の4回転ジャンプに挑戦していく。

 2週後に全日本選手権(21日開幕、調布市)を控えるが、宇野の平昌五輪出場はほぼ当確だ。「この結果が今の僕の実力。同じ失敗をしないように練習したい」。小さなミスが勝敗を分ける。五輪を前に大きな教訓を得たことになる。

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